ホーム > グルメ > 『SIGNATURE 今月の一皿』 No.72 老舗ホテルのフレッシュな味

ダイナースクラブ会員様にお送りしている会員誌「SIGNATURE」より、選りすぐりの一品をご紹介します

WEB限定 今月のもう一皿

リニューアルオープンした『パレスホテル東京』のフレンチは、懐かしいのに新しい。公園の豊かな緑を眺めながら、小気味よい味の発見を。

千代田区丸の内1の1の1。何とも贅沢な住所、豊かな緑と水に囲まれた丸の内の『パレスホテル東京』である。約3年の月日をかけて全面的に生まれ変わった『パレスホテル東京』が目指すのは「最上質の日本」。そのレストランの代表格ともいえるのがフランス料理『クラウン』だ。エレベーターを6階で降りると、ベネチアンガラスで装飾されたゴージャスなエントランスにまずは目を奪われる。リニューアルにかけた気合を感じるが、けっして煌びやかな新しさだけでなく、そこに落ち着きや品格が感じられるのは、1964年創業の老舗だけが持つ歴史の力だと感じる。店内に入って大きなワインセラーを抜けると、曲線をふんだんに取り入れた、柔らかく包みこまれるようなダイニングが待っている。大きな窓の向こうには東京ならではのビル群がなく一瞬驚くはずだ。

新しくなったメニューから、『クラウン』のシェフ・市塚さんと共に選んだ文句なしの今月の一皿は「季節の有機野菜ニース風サラダタルト仕立て」。テーブルで蓋を開けてもらうとスモークの香りがふわふわと立ち上り、食欲を誘う。タルトやオニオンコンフィ、半熟卵と鮪のマリネは巧くバランスを取り合い、それぞれの個性を引き立たせている。ディナーのスタートとしては充分に贅沢な組み合わせだ。フランスの名店『ラ・ピラミッド』監修の『クラウン』オリジナルメニューだそうで、市塚さん曰く「新しいアイデアと伝統が混じり合い、新たな魅力を創りだしている」とのこと。懐かしの『クラウン』を楽しみにしてきたが、いい意味で期待と反していたことが嬉しい。

メインは「天然ヒラメの黄金焼き」。見るからにふっくらとした最上級のヒラメは、野菜のブイヨンを加えたバターソースをかけることでさらにしっとりで滑らか。さすが「王女の魚」と扱われているわけだ。ワインは充実のiPadのリストから楽しみながらセレクトして、ディナーに花を添えたい。

写真・岡村昌宏 文・下谷友康

パレスホテル東京 クラウンPALACE HOTEL TOKYO Crown

「季節の有機野菜ニース風サラダタルト仕立て」(4,400円)は、テーブル上の目の前でスモークされる演出を楽しみたい。「天然ヒラメの黄金焼き」(5,700円)は、クラシックなフレンチながら、市塚シェフの盛り付けの美的センスがきらり。

※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

住所 東京都千代田区丸の内1-1-1『パレスホテル東京』6F
電話 03-3211-5317
営業時間 ランチ11:30~14:30、ディナー17:30~22:00
定休日 なし

WEB限定 今月のもう一皿
ピアノのチョコレート

この一皿がテーブルに運ばれた瞬間、誰もが微笑まずにはいられないだろう。「ピアノのチョコレート」(3,000円/税込)は、『クラウン』が2003年から提携しているフランス・ヴィエンヌの名店『ラ・ピラミッド』で生まれた、この上なく優雅なデザートだ。近辺の音楽祭に出演するためにかの地に滞在していた超有名ジャズピアニストが『ラ・ピラミッド』に来店した際に、シェフが考案したという誕生秘話もすばらしい。
ピアノのボディの部分は、ミルクチョコレートとジャンドゥイオットという砕いたヘーゼルナッツが入ったチョコレートのムースの二弾仕立て。そのスムースな口当たりと上品な甘みは、軽やかなピアノの音色を思わせる。ボディを支える細い足も、もちろんチョコレート製。そしてピアノにかたわらに添えられているのは、チョコレートのソルベだ。どれもがとても繊細で、壊して食べてしまうのがもったいないくらいだ。
女性に絶大な人気を誇るピアノのチョコレート。特別な日にこのデザートで彼女を驚かせてみては? きっといいことがあるはずだ。
※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

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