ホーム > グルメ > 『SIGNATURE 今月の一皿』 No.75 驚きの食感、フカヒレステーキ

ダイナースクラブ会員様にお送りしている会員誌「SIGNATURE」より、選りすぐりの一品をご紹介します

WEB限定 今月のもう一皿

コラーゲンたっぷりのフカヒレの食感とは?と聞かれたら、多くの人がどちらかといえば、ヌルッとした感じを思い浮かべるだろうか。そんな既成概念を覆す、鯰江シェフのフカヒレ。それは、食べてみてのお楽しみ――。

『MASA’S KITCHEN 47』は、鯰江真仁シェフのファーストネームと支那(中国)の国から47(しな)と付けられた店名だ。実は鯰江さん、数年前にこのコーナーに登場した東京・神泉の名店『文琳』で腕を振るっていたが、4年前に独立。恵比寿で新しくこの店をスタートさせたのだ。あの『文琳』の流れをくむ料理に鯰江シェフの腕前がプラスされるとどんな進化が待っているのか――期待は否応なく高まる。

階段を下りて店に入るとまるで中華料理店っぽくないオープンキッチンで、若い料理人たちが一生懸命に下拵えをしている姿が凛としてとても美しい。お洒落な空間ながら活気が感じられるのもなんだか嬉しい。

上海蟹のシーズンインに合わせて、前菜後の料理は「酔っ払い上海蟹」。紹興酒の奥深い香りにねっとりとした味噌が絡み合う味はなんとも神秘的。旬の素材の持ち味をこれでもかとぶつけてくる手法は、繊細でありながらも相変わらず大胆だ。お待ちかね今月の一皿は、見た目も強烈な「フカヒレのステーキ 上海蟹土鍋煮」。王道の吉切鮫の尾ビレをさっとフライパンで焼き、上海蟹の卵煮込みスープに入れる。このステーキ、周りはカリッとしながらも中身はツルツルでモチモチ感がちゃんと残っていて、いわゆるフカヒレの姿煮と比べるとまるで別物の食感だが、逆に繊維が引き立っている。鯰江シェフの枠にとらわれない独自の世界は、伝統の技法を熟知しているからこそ到達できるものだと納得させられる。「人参とジャガイモの四川風サラダ」は、山椒のピリリとした辛味が、しゃきっとした野菜の食感とともに口の中を刺激する。お約束の小籠包は透けるほど薄い皮にしっかりとした肉が入っていてとてもジューシー。とにかくどれをとっても楽しく、驚く料理の連続で、わくわくすること間違いなしだ。ワインと合わせて秋の夜長をぜひ楽しんでほしい。

写真・阿部昌也 文・下谷友康

MASA’S KITCHEN 47

これからが旬真っ盛りの上海蟹の卵と一緒に煮込んだスペシャリティ「フカヒレのステーキ 上海蟹土鍋煮」は、スペシャルコース(税込15,750円/要予約)の中の一品。その辛味が一度食べたら病みつきになる「人参とジャガイモの四川風サラダ」や「小籠包」は、すべてのコースに含まれている(コース料理はいずれも2名から。料理の内容はその日の仕入れによって変わることがあります)。
※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

住所 東京都渋谷区恵比寿1-21-13 コンフォリア恵比寿B1
電話 03-3473-0729
営業時間 11:30~14:00、17:30~23:30(L.O.22:30)
定休日 月曜

WEB限定 今月のもう一皿
愛玉のゼリー、ライムシャーベット添え

『MASA’S KITCHEN 47』では、いつもコースを頼むことにしている。アラカルトもあるけれどお店にすっかりお任せしたほうが、思う存分「鯰江ワールド」を堪能できるからだ。前菜の盛り合わせ、揚げ物、スープ、メイン、フカヒレに小龍包、そしてしめの麺料理。繊細な味があったり、じっくりと調味された濃厚な味があったり、緩急自在に繰り広げられる食のパレードに、お腹ははちきれんばかりだ。
そんなわけで今宵もすっかり満腹なのだが、最後に別腹でデザートタイム。この店でのデザートのお気に入りは「愛玉のゼリー、ライムシャーベット添え」(600円/税込)だ。「愛玉ゼリー」は台湾では屋台などでよく見かける人気のデザートで、愛玉という台湾の高地で採れる植物の実の種から作られるという。食感はゼリーよりはふんわり柔らかで、口の中ですーっと溶けていく。ライムシャーベットとあわせるとすっきりしてなんとなく消化が進むような気がする。ちょっぴり食べ過ぎた罪悪感をこのデザートでさらりと流して気分よく夜を締めくくる。懲りない食いしん坊の常套手段――もしよかったらお試しください。
※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

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