ホーム > グルメ > 『SIGNATURE 今月の一皿』 No.87 ワイン居酒屋で夢心地

ダイナースクラブ会員様にお送りしている会員誌「SIGNATURE」より、選りすぐりの一品をご紹介します

WEB限定 今月のもう一皿

江東区門前仲町、通称「門仲」。懐が深い不思議な街である。富岡八幡宮の別当寺、永代寺の門前町であることから名がついたこの街は、江戸時代から栄えた歴史の古い街である。

だからこそ、風情ある商店が今もなお残り、参拝客や買い物客で賑わいがとぎれない。東京の中心地からも近く、たくさんの飲食店があるにもかかわらず、チェーン店が極端に少ないのも地元密着ぶりを感じさせる。みんな門仲が好きなのだ。

隅田川の河口付近、春にはみごとな桜に囲まれるだろう川沿いの2階にあるのが『葡萄屋マルシュ』。急な階段を上っていくと、こぢんまりとしてなんだか親しみのある下町情緒たっぷりの店内が見える。若さあふれるオーナーの山本誠さんは、「常連さんにも一見さんにもゆっくりと時間を共有してほしい」と情熱たっぷりに話す。定番メニュー以外は月替わりでどんどん入れ替わる。研究熱心、いつも前向きである。そしてとにかくメニューが酒飲みのツボを押さえている。アンチョビキャベツ、自家製鶏ハム、牡蠣のオイル漬け、長芋のしゃきしゃきソテー等々。すべて網羅したくなる。

一番のおすすめは「自家製スペアリブ」。「試行錯誤して行きついた結果」と山本さんは笑って話してくれたが、角煮とスペアリブのちょうど中間くらいの感じがする。だから骨からも外れやすいし、肉の旨みがとてもジューシーに感じる。「焼く+煮る+蒸す」という工程と、調理スピードとのバランスを見つけた賜物だ。「砂肝のコンフィ」は一晩マリネしてからコンフィしたもの。ローズマリーの香りと砂肝の食感が好きだ。豪快にふたつに割った玉葱のローストは甘みが染み出してきて必ず注文する僕の定番だ。ワインのメニューも豊富でとても良心的な値段なのもうれしい。

ワインレストランなのに「うちは居酒屋だから」と山本さん。ワイワイガワガヤが途絶えない楽しい店を発見した。必ず飲みすぎて気持ちよくなること間違いないので、帰りの急階段だけは気をつけたい(笑)。

写真・阿部昌也 文・下谷友康

葡萄屋マルシュ

のんべえの痒いところに手が届くかのようなおつまみの数々は、何度でも訪問したくなるようなラインナップだ。しかもとてもリーズナブルなのがうれしい。スペアリブ1本600円、玉葱のロースト300円、アボカドの焦がしバター600円、砂肝のコンフィ500円。ワインも数千円台のボトルが豊富に揃う。
※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

住所 東京都江東区門前仲町1-3-6-2F
電話 03-6458-8177
営業時間 ランチ11:30~14:00(L.O.)、ディナー17:00~24:00(L.O.)
定休日 日曜・祝日

WEB限定 今月のもう一皿
ピリ辛ナポリタン

呑んだ後のしめのラーメンは、のんべいにとっては危険このうえない誘惑。ワイン居酒屋のここでは、それはこの「ピリ辛ナポリタン」(900円/税込)にあたる。

たくさんの赤唐辛子を半年浸したスミノフのウォッカがそのピリ辛の秘訣。辛みだけでなく、ソースにうまみも与えるのだそう。具材は、玉葱やピーマン、ニンジンといった野菜に加えて、子どもの頃の懐かしの味、赤ソーセージ!

これを発見した時は心が躍った。ナポリタンの具材はこうでなくっちゃ。中村さんは「パスタではなく、スパゲッティです。麺もアルデンテじゃなくてしっかり茹でてありますよ」と笑って教えてくれた。ナポリタンの基本に忠実に、でも飲んだ後の胃にほどよく浸みる辛みでこの店オリジナルの味に仕上がっている。ランチでも提供されるのでこれを食べるためだけにお昼に訪れるのもいいだろう。
※この記事に掲載の金額は取材当時の消費税率込の料金です。

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