ホーム > グルメ > 『SIGNATURE 今月の一皿』 No.89 春の薫りのミルフィーユ

ダイナースクラブ会員様にお送りしている会員誌「SIGNATURE」より、選りすぐりの一品をご紹介します

WEB限定 今月のもう一皿

青山三丁目、レストランやブティック、雑貨店などがひしめき、高感度な人々でにぎわう街。そんな青山の大通りから曲がってすぐ。「あれっ?こんなところにレストランがあったかな」と思う。

本当になんだか北青山の路地にたたずむ、友人のお宅に招かれたように錯覚してしまう。『リストランテ ホンダ』はそんなレストランだ。だからまったく気取ってなくてとってもやさしい居心地のいい空間、それが第一印象。モダンでスタイリッシュな店内なのに、雰囲気はアットホーム。オーナーシェフの本多さんの人柄を表しているようだ。2004年にオープンしてちょうど10年、「季節感あふれる料理をつねに心がけています」と、誠実な笑顔が印象的だ。

今月の一皿に選んだのは「ハマグリと野セリのフキノトウを練りこんだ冷製タリオリーニ」。お皿の上でパスタが天に向かって盛り上がって飾られているのがなんだか不思議。三重県産の歯ごたえのある立派なハマグリの上にさらにカラスミがおかれていろいろな食感が楽しめる一皿である。野セリの青い香りやパスタに練りこまれたフキノトウのほのかな苦味が、食材の彩りとともに春を感じさせる。決して濃い味ではないものの、かといって淡泊でもなく、綺麗な盛り付けに目を奪われがちだが、レベルの高さを存分に感じさせる。「ドンブ産ウズラのボリート クレソンのソース」はシェフお得意のジビエ。ウズラのスープでボイルした胸肉は甘苦いクレソンのソースで、コンフィされたモモ肉はタラの芽とフレッシュなモリーユ茸を合わせて。それぞれが軟らかでジューシー、いろいろな食感を楽しめる料理はとても洗練されていて、シンプルな店内と対照的に華やかで繊細である。

本多さんはイタリアのみならずフランスでも修業し、そして東京に戻ってきた。各地の料理を研究したうえで日本の食材を多用する新しいイタリアンは、さらに進化の途中と感じた。今度は季節感あふれる夏のホンダ・イタリアンを食べに行きたい。

写真・栗林成城 文・下谷友康

リストランテ ホンダ

紹介した料理はいずれも夜のコースメニュー、プリフィックスコース(8,000円)、シェフのおまかせコース(10,000円)、リストランテ ホンダ スペシャルメニュー(12,000円)から。これからの季節は、ホワイトアスパラガス、空豆、ハマグリ、山菜などの春の食材がふんだんに楽しめる。

※価格はすべて税抜です。

住所 東京都港区北青山2-12-35 1F
電話 03-5414-3723
営業時間 ランチ12:00~14:00(L.O.)、ディナー18:00~22:00(L.O.)
定休日 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日火曜日)

WEB限定 今月のもう一皿
ホワイトアスパラガスと帆立貝のオランデーズソース フランボワーズビネガーの香り

春といえばホワイトアスパラガス! ふきのとうやタラの芽、タケノコといった和の食材に交って、西洋の春を代表するホワイトアスパラガスも、このところ日本では人気急上昇中だ。

旬の食材を大切にする本田シェフも、積極的にホワイトアスパラガスを使った料理を提供している。本田流のアレンジは、ご覧のとおりの2段仕立て。みごとな太さのホワイトアスパラガスには、生ハムの塩味とフランボワーズビネガーソースの酸味と共にいただく。そして、こちらもみごとな大きさの帆立貝にコクのあるオランデーズソースをたっぷりとかけて。色彩と味の軽やかなハーモニーが一皿のうえにスマートに表現されている。そのムードがなんとも本田シェフらしい。

それぞれの味を楽しんだ後は、オランデーズソースとホワイトアスパラガスの組み合わせを楽しんでもいいだろう。一皿で2度も3度も楽しめる、春のすてきな前菜だ。

※この料理は夜のコースからの一皿です。

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