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<山本益博の料理エッセイ>この店、私のお気に入り 山本益博

第十七回 銀座「すきやばし次郎」

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「すきやばし次郎」でダイナースクラブカード

この10月から銀座の「すきやばし次郎」でダイナースクラブカードが使えるようになった。

「ミシュラン」で3つ星に輝いたことも影響しているが、昨年2月にニューヨークでハリウッドのドキュメンタリー映画「JIRO DREAMS OF SUSHI」(邦題「二郎は鮨の夢を見る」)が公開されるや、瞬く間に全米に広がり、それがヨーロッパ、アジアにまで拡大、昨夏頃からその映画を見た外国人たちが店にやってくるようになった。
いまや、「次郎」のカウンター席の7割以上は外国人客で占められている。その外人客が支払う段になって差し出すのが、現金でなくカードなのである。

「次郎」はカードが使えず、お手洗いも店の中になく、客席はわずか10席、それでも「ミシュラン」の3つ星になって話題になったほどである。そこで、ついに「カード使用可」となった。12月初旬に発売される新しい「ミシュラン」にもこの件は掲載されていないはずだから、「次郎」でダイナースクラブカードが使えるようになった情報としては、この記事が最初である。誠に便利になってめでたい。

88歳にしていまだ現役

めでたいといえば、10月27日、小野二郎(店名は「次郎」だが、本名は二郎)さん、「米寿」を迎えられた。8歳から奉公にでて、料理旅館で働き始めておられるので、職歴 80年である。
「米寿」を迎えられた当日、たまたま店が休みの日曜日に当たったこともあって、お仲間が集まり「次郎」さんの「米寿」をレストラン「ベージュ」でお祝いした。

88歳にしていまだ現役、昼も夜もつけ台に立ち、小野二郎の握るすしを食べたくてやってくる客の期待に応えるべく、すべての客のすしを握っている。つまり、当主の長男禎一(よしかず)さんが、丁寧に仕込みされた魚を切りつけ、それをすぐに「次郎」さんが握るという二人三脚。
すべてのお客様がその「おまかせ」コースで握られる「至福のすし」を堪能されている。

そのにぎりはまるで「小さな宝石」

「おまかせ」はその日によって内容が違うが、夏なら「かれい」冬なら「ひらめ」と白身の魚から握るスタイルはいつも同じ。いまから30年ほど前は、「江戸前」のすし屋はどこもまぐろから握ったものだが、今や「白身」からがすっかり定着した。「おまかせ」ならば、淡白なものから味の濃いもののほうが、その持ち味が十分に楽しめると、「次郎」さんが、その出し方を変えた最初のすし職人である。

冬の「おまかせ」ならば、さばとたこは外せない。
どの店にもあるすし種だが、「次郎」のこれらのにぎりは、召し上がられた方は口を揃えて「味の次元が違う」とおっしゃる。

フランス料理の巨匠、ジョエル・ロブションさんは来日のたびに「次郎」へ必ず顔を出す。「飛行機に乗ってでも食べに出かけたい、世界唯一の店」なのだそうだ。
そのロブションさんが先日食べた折に漏らした言葉が「ムッシューJIROの握るすしは、いまや神業の域に達している」だった。完璧主義者のロブションにそこまで言わしめる小野二郎のすしは、いま一段と輝きを増している。そのにぎりはまるで「小さな宝石」のようである。

文 写真 山本益博

プロフィール

山本益博

1948年(昭和23年)東京・浅草生まれ。料理評論家。
1973年よりフランスへ出かけて料理とレストラン文化を研究、2014年、フランス政府より農事功労章オフィシエを授与される。米国グラムメディア社『Foodie Top 100 Restaurants: Worldwide』の選者の一人。
「人間味という味が、いちばん美味しい」(大和書房)など食に関する著作のほか、「立川談志を聴け」(プレジデント社)、「名人芸の黄金時代 桂文楽の世界」(中公文庫)などオペラや落語、イチローに関する著作も多い。Webサライで「ひと皿の歳時記」ほか、最新の料理情報などを掲載。「美食の世界地図」(竹書房新書)を2014年1月に上梓。2014年9月に小学館より『鮨 すきやばし次郎 JIRO GASTRONOMY』を出版。

ダイナースクラブ会員限定特典

  • ●「かんぴょう」と「おぼろ」ののり巻きをダイナースクラブ会員様と同伴者様にサービス

優待期間 : 2013年12月16日~2014年3月31日ご利用分まで

  • ※ご予約は、お店に直接ご連絡ください。
  • ※ご予約時に、ダイナースクラブ会員である旨をお伝えください。

すきやばし 次郎

〒104-0061
東京都中央区銀座4-2-15 塚本総業ビル地下
03-3535-3600

営業時間
月~金 昼11:30~14:00 夜17:30~20:30
昼のみ営業:11:30~14:00
定休日 日曜・祝日・土曜日夜、8月中旬、年末年始 
  • ※おまかせコース:ランチ・ディナー 30,000円(税別)、サービス料なし
  • ※ご予約はご希望日の前月1日より承っております。9:00~20:00まで(営業日のみ)
  • ※男性はジャケットの着用をお薦めします。
  • ※お子様同伴のご来店はお断りしております。
  • ※イベント等、貸切の際は特典対象外となります。あらかじめご了承ください。
  • ※お支払いにはダイナースクラブカードをご利用ください。

バックナンバー

  • 第一回 六本木「イマカツ」
  • 第二回 XEX 愛宕 グリーンヒルズ/サルヴァトーレ クオモ ブロス
  • 第三回 福臨門酒家 銀座店
  • 第四回 神楽坂 東白庵かりべ
  • 第五回 六本木「Restaurant Ryuzu」
  • 第六回 神谷町「ダ オルモ」
  • 第七回 「NINJA AKASAKA」
  • 第八回 日比谷「レ セゾン」
  • 第九回 六本木「厲家菜(レイカサイ)」
  • 第十回 銀座「ESqUISSE(エスキス)」
  • 第十一回 「新ばし笹田」
  • 第十二回 西麻布「レフェルヴェソンス」
  • 第十三回 「青空」(はるたか)
  • 第十四回 みかわ 是山居(みかわぜざんきょ)
  • 第十五回 フレンチファインダイニング「シグネチャー」
  • 第十六回 アルヴェアーレ
  • 第十七回 すきやばし次郎
  • 第十八回 白金台「TIRPSE(ティルプス)」
  • 第十九回 銀座「流石Le蔵」
  • 第二十回 六本木「エディション・コウジ シモムラ」
  • 第二十一回 南青山「鮨ます田」
  • 第二十二回 広尾「はしづめ」
  • 第二十三回 五代目 野田岩 麻布飯倉本店
  • 第二十四回 銀座「馳走啐啄(そったく)」
  • 第二十五回 五反田「ヌキテパ」
  • 第二十六回 日本橋室町「LA BONNE TABLE」
  • 第二十七回 麻布十番「ケ・パッキア」
  • 第二十八回 東銀座「ムッチーニ」
  • 第二十九回 銀座「ル・ブール・ノワゼット トウキョウ」
  • 第三十回 築地「和光」
  • 第三十一回 銀座「Furuta」
  • 第三十二回 神楽坂「山さき」
  • 第三十三回 銀座「ときとう」
  • 第三十四回 六本木「BLT STEAK ROPPONGI」
  • 第三十五回 麻布台「SUGALABO」
  • 第三十六回 家全七福酒家 銀座店
  • 第三十七回 三田「コート・ドール」
  • 第三十八回 四ッ谷「後楽寿司 やす秀(みつ)」
  • 第三十九回 上野・御徒町「ぽん多本家」
  • 第四十回 西麻布「マルゴット・エ・バッチャーレ」
  • 第四十一回 銀座「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」
  • 第四十二回 根津「釜竹」
  • 最終回 丸の内・パレスホテル東京「クラウン」
  • ※バックナンバーでご紹介しているメニュー、料金、時間などの内容は取材した時点での情報であり、予告なく変更となる場合があります。また店舗の都合により予告なく閉店している場合もありますのであらかじめご了承ください。

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