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<山本益博の料理エッセイ>この店、私のお気に入り 山本益博

第二十九回 銀座「ル・ブール・ノワゼット トウキョウ」

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ネオビストロの旗手が開いた東京支店

「ル・ブール・ノワゼット トウキョウ」はパリのネオビストロ「Le Beurre Noiestte」の東京支店である。

パリ本店オーナーシェフのティエリー・ブランキさんはパリの3つ星の「ルドワイヤン」をはじめ名だたるグラン・メゾンで働いた後、2001年パリの繁華街から離れたパリ15区に店を開いた。

3つ星の名店で修業を重ねても、時代が時代だから誰もがパリの中心地に高級レストランを開けるわけではない。
と言って、せっかく質の高い料理を作り続けてきたのだから、調理をする際、食材に妥協したくはない。
人件費にかけるお金があるなら、それも食材に回したい。

そういう思いでこのところ新しいタイプの店がパリのあちこちにできはじめ、それを称して「ネオビストロ」と呼んだり、「ビストロノミー」と言った造語を生み出すきっかけとなった。

その旗手の一人がティエリー・ブランキシェフなのである。

日本でいただける「鴨料理」の名品中の名品

ブランキシェフのスペシャリテのひとつに「フランス産鴨胸肉のロティ、腿肉とフォアグラのパイ包み焼き」がある。

一皿に鴨の胸肉が横たわり、片側には腿肉とフォアグラが詰められたパイが鎮座してあり、香り高くて切れの良いソースがさらりと敷かれてある。

胸肉を一切れいただく前に、気になるパイ包みにエイヤッとばかりに真っ二つにナイフを入れると、たちどころに鼻をくすぐる美味しい香りが立ち上ってきて、いやがおうにも期待感が湧き上がってくる。

胸肉を一切れ口に運び、それからパイ包みのパイ皮と詰めてあるフォアグラと腿肉を頬ばると、鴨を丸ごと一羽いただいた感動が押し寄せてくる。

いま、日本でいただける「鴨料理」の名品中の名品と呼んでも過言でない一品!

ヌーヴォだけではない、ボージョレが揃うワインの品揃え

これに合わせるワインはボージョレに決めているのだが、ボージョレと言っても毎年11月の中旬に解禁される「ボージョレ・ヌーヴォ」ではなく、名手マルセル・ラピエールが造る「ボージョレ」の村名ワイン「モルゴン」である。

ワインになりかけのアルコール入りぶどうジュースと呼んでも差し支えない「ヌーヴォ」があまりに有名になりすぎて、「ボージョレ」が不当に評価され、その真価が伝わらなくなって久しいが、実力派のボージョレを味わえば、真のワインファンは、ボージョレに改めて一目置くはずである。

こういう品揃えも「ル・ブール・ノワゼット トウキョウ」ならではと言ってよい。

ブランキシェフは定期的に日本を訪れているが、先日のジビエの季節に来日した際の料理は、ペルドロー(山うずら)も、ピジョン・ラミエ(森鳩)も、サングリエ(猪)も、各皿からフランスの香りが立ち昇り、東京にいることを忘れさせるエスプリの利いた料理ばかりだった。

次回は2015年9月8日~11日、9月11日の東京店の開業5周年に併せて来日するとか。この機会を見逃してはいけない。

文 写真 山本益博

プロフィール

山本益博

1948年(昭和23年)東京・浅草生まれ。料理評論家。
1973年よりフランスへ出かけて料理とレストラン文化を研究、2014年、フランス政府より農事功労章オフィシエを授与される。米国グラムメディア社『Foodie Top 100 Restaurants: Worldwide』の選者の一人。
「人間味という味が、いちばん美味しい」(大和書房)など食に関する著作のほか、「立川談志を聴け」(プレジデント社)、「名人芸の黄金時代 桂文楽の世界」(中公文庫)などオペラや落語、イチローに関する著作も多い。Webサライで「ひと皿の歳時記」ほか、最新の料理情報などを掲載。「美食の世界地図」(竹書房新書)を2014年1月に上梓。2014年9月に小学館より『鮨 すきやばし次郎 JIRO GASTRONOMY』を出版。

ダイナースクラブ会員限定特典

  • ●ダイナースクラブカード会員含めご同伴者様へ食前酒1杯をサービスします。

優待期間 : 2014年12月19日(金)~2015年1月23日(金)まで

  • ※ご予約時には必ず「ダイナースクラブカード会員で山本益博さんの記事をみた」ことをお伝えください。

ル・ブール・ノワゼット トウキョウ

〒104-0061
東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越12F
03-6228-6913

営業時間 11:00~16:00(L.O. 15:00)
17:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日 年中無休(銀座三越に準ずる)
  • ※全席禁煙(17:00~23:00 一部喫煙可)
  • ※お支払いには、ダイナースクラブカードをご利用ください。
  • ※定休日および貸切時は特典対象外となります。あらかじめご了承ください。
  • ※ディナータイムは、1名様500円の席料をいただきます。

バックナンバー

  • 第一回 六本木「イマカツ」
  • 第二回 XEX 愛宕 グリーンヒルズ/サルヴァトーレ クオモ ブロス
  • 第三回 福臨門酒家 銀座店
  • 第四回 神楽坂 東白庵かりべ
  • 第五回 六本木「Restaurant Ryuzu」
  • 第六回 神谷町「ダ オルモ」
  • 第七回 「NINJA AKASAKA」
  • 第八回 日比谷「レ セゾン」
  • 第九回 六本木「厲家菜(レイカサイ)」
  • 第十回 銀座「ESqUISSE(エスキス)」
  • 第十一回 「新ばし笹田」
  • 第十二回 西麻布「レフェルヴェソンス」
  • 第十三回 「青空」(はるたか)
  • 第十四回 みかわ 是山居(みかわぜざんきょ)
  • 第十五回 フレンチファインダイニング「シグネチャー」
  • 第十六回 アルヴェアーレ
  • 第十七回 すきやばし次郎
  • 第十八回 白金台「TIRPSE(ティルプス)」
  • 第十九回 銀座「流石Le蔵」
  • 第二十回 六本木「エディション・コウジ シモムラ」
  • 第二十一回 南青山「鮨ます田」
  • 第二十二回 広尾「はしづめ」
  • 第二十三回 五代目 野田岩 麻布飯倉本店
  • 第二十四回 銀座「馳走啐啄(そったく)」
  • 第二十五回 五反田「ヌキテパ」
  • 第二十六回 日本橋室町「LA BONNE TABLE」
  • 第二十七回 麻布十番「ケ・パッキア」
  • 第二十八回 東銀座「ムッチーニ」
  • 第二十九回 銀座「ル・ブール・ノワゼット トウキョウ」
  • 第三十回 築地「和光」
  • 第三十一回 銀座「Furuta」
  • 第三十二回 神楽坂「山さき」
  • 第三十三回 銀座「ときとう」
  • 第三十四回 六本木「BLT STEAK ROPPONGI」
  • 第三十五回 麻布台「SUGALABO」
  • 第三十六回 家全七福酒家 銀座店
  • 第三十七回 三田「コート・ドール」
  • 第三十八回 四ッ谷「後楽寿司 やす秀(みつ)」
  • 第三十九回 上野・御徒町「ぽん多本家」
  • 第四十回 西麻布「マルゴット・エ・バッチャーレ」
  • 第四十一回 銀座「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」
  • 第四十二回 根津「釜竹」
  • 最終回 丸の内・パレスホテル東京「クラウン」
  • ※バックナンバーでご紹介しているメニュー、料金、時間などの内容は取材した時点での情報であり、予告なく変更となる場合があります。また店舗の都合により予告なく閉店している場合もありますのであらかじめご了承ください。

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