LIFESTYLE ― Club Life

アメリカのカントリークラブの現在 第1回

狩猟クラブからはじまった
カントリークラブの雄

Myopia Hunt Club

カントリークラブは、単にゴルフ場という意味ではない。ゴルフに限らず、テニスや乗馬などのスポーツを楽しむために郊外につくられた会員制のクラブおよびその施設を指す。そして日本でもようやくお目見えしようとしている、その本格的な「世界基準」の「クラブ」の源流を、アメリカ・ボストンに探った。

取材協力:マサ・ニシジマ 写真と文:田中克佳

Photographs and Text by Katsuyoshi Tanaka

Special Thanks to Masa Nishijima & Fergal O'Leary

アメリカには現在、1万6000を超えるゴルフコースがあると言われている。そのうち4400以上がプライベートクラブによる運営だ。なかでもゴルフに加えて乗馬やテニス、ポロなど多様なアクティビティを併せ持つクラブは「カントリークラブ」と呼ばれ、より社交性の高い複合的なクラブライフが営まれている。

ボストン郊外、サウス・ハミルトンに位置する『マイオピア・ハントクラブ(Myopia Hunt Club)』もこうしたカントリークラブのひとつで、140年を超える歴史を誇る名門クラブとして知られている。

 創設は1875年、当時のボストン市長の子息たちがはじめたアスレチッククラブで、主な活動はセーリングやベースボールであった。名称の“myopia”とは 英語で「近視」を意味し、中心メンバーの4人兄弟が皆、強度の近視であったことに由来する。

 1882年に同クラブは現在地へと移転するのだが、その主な目的はハンティングであった。もともと英国の貴族がはじめたFox Hunting(キツネ狩り)が当時、アメリカでも人気を博していた 。広大な自然が広がる一帯は キツネ狩りに最適で、以降ハンティングがクラブの中心的な活動となった。名門カントリークラブ『Myopia Hunt Club』はこうしてスタートしたのだ 。

ハンティングの伝統は現在も綿々と引き継がれている。「生きたキツネ狩りは今では禁止されているため、私たちが行うのはDrag Huntingという擬似狩猟です。キツネの臭いに似せた香料を森や林に仕込み、猟犬を野に放ちます。そして私たちは馬を駆ってこれを追いかけるのです」。そう語るのはグループリーダーのキム・カトラー氏。彼女のかけ声に合わせて25匹のフォックスハウンド犬が一斉に走りだす。狩猟の醍醐味に馬術を掛け合わせたこの知的なスポーツは、今なお人々を魅了し続けているという。

 同クラブのもう一つの柱がポロを中心とした馬術関連の活動だ。敷地内には2面のポロフィールドが整備され、シーズン中は観衆を招いて毎週のように熱戦が繰り広げられている。その活動の歴史も古く、ハンティングがはじまって間もない1887年には最初のポロの競技が行われたという。

クラブハウスに併設して瀟洒な馬屋も並び、専門のインストラクターによる乗馬のレッスンもおこなわれている。400エーカー(東京ドーム約35個分)を超える広大な敷地内でいつでも騎乗できるという恵まれた環境を誇る。

 さらに、Myopiaの名を広く世に知らしめたのがゴルフクラブとしての歩みである。1880年代に英国で流行したゴルフがアメリカに伝わったのは1890年代のことで、1894年にはこの地にゴルフ場が創設された。1895年にはじまったUSオープンでは最初の14年間で実に4度のトーナメントがMyopiaで開催されてきた。アメリカのゴルフ創成期における同クラブの功績には、計り知れないものがあるといわれている。

Myopia Hunt Clubのようなカントリークラブでは、こうした豊かなクラブライフが享受できる一方で、メンバーには高い素養と志が求められるという。ふだんの活動を通じて地域社会に貢献し、クラブの伝統や文化を次世代へと継承する責務を会員一人ひとりが担っている。次回はMyopiaの歩みをさらに追いながら、カントリークラブの営みとその魅力に触れていく。

たなか かつよし|写真家・ジャーナリスト。1965年、横浜生まれ。ニューヨーク在住。アメリカ版『ナショナル・ジオグラフィック』誌のアシスタントを経て独立。世界各地のルポルタージュを行う。2001年よりブラジルの撮影を続け、14年に『踊る! ブラジル: 私たちの知らなかった本当の姿』(小学館)を上梓。

日本初となる「世界基準」の本格的カントリークラブ誕生!

ダイナースクラブは、クラブとして誕生し、クラブにふさわしい方をメンバーに迎え、「メンバーのゆとりある豊かな暮らしに貢献する」という基本姿勢のもと、半世紀以上にわたり、さまざまなサービスを提供してきました。
ダイナースクラブは、『東京クラシッククラブ』創設にあたり、そのビジョンに賛同し、共に発展をもたらす原動力となりたいと考えています。

「美しくあること。そして、フェアなコースであること……。
ゴルフの魅力は人生にも通じており、心の豊かさは家族や仲間とのよりよき関係を築き、充実した楽しい時間をもたらします。
私が学んだ全てがこの『東京クラシッククラブ』に永遠に引き継がれることを願っています」――ジャック・ニクラス

 ジャック・ニクラス
TOKYO CLASSIC CLUB 名誉発起人

1940年、アメリカ・オハイオ州生まれのプロゴルファー。1960年代から90年代にかけて活躍し、圧倒的な強さから日本では「帝王」「史上最高のゴルファー」と呼ばれる。一方でゴルフコースの設計でも才能を発揮し、世界ベスト100コースにランキングされる名コースを世界各地に設計した。彼が設計したコースは日本ではおよそ20コースがオープンしており、東京クラシッククラブはおそらく日本で最後の設計となる。

Information

東京クラシッククラブ

千葉県千葉市若葉区和泉町237-3

千葉東金道路「中野I.C」から約3分の好アクセス。

 2016年春オープン予定

お問い合わせ:東京クラシッククラブ事務局

03-6804-1606

http://tokyo-classic.jp

*「世界基準のクラブライフを知る」 Vol.1、Vol.2も併せてご覧ください。

2016.02.22

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