LIFESTYLE - Club Life

アメリカのカントリークラブの現在
第2回

全米オープンも開催。
その美しきゴルフライフ

Myopia Hunt Club

カントリークラブは、単にゴルフ場という意味ではない。ゴルフに限らず、テニスや乗馬などのスポーツを楽しむために郊外につくられた会員制のクラブおよびその施設を指す。そして日本でもようやくお目見えしようとしている、その本格的な「世界基準」の「クラブ」の源流を、アメリカ・ボストンに探った。

写真と文:田中克佳 
取材協力:マサ・ニシジマ

Photographs and Text by Katsuyoshi Tanaka
Special Thanks to Masa Nishijima & Fergal O'Leary

 アメリカで名門ゴルフクラブの中核をなすと言われる「カントリークラブ」。そこにはゴルフ場に加えてポロや馬術、テニスやハンティングなどさまざまなアクティビティが広がり、複合型クラブライフが多くの人々を魅了し続けている。今回もボストン郊外に位置する『マイオピア・ハントクラブ(Myopia Hunt Club)』の活動を通じて「カントリークラブ」の魅力に触れてみる。

1875年創設の同クラブは狩猟クラブがそのはじまりだが、その名が全米に知れ渡ったのはゴルフコースの発展によるところが大きい。アメリカにゴルフが伝わったのは1890年代のことで、1894年にはMyopiaに9ホールのゴルフコースが誕生した(1901年に18ホールに拡張)。1898年にはすでにUSオープンがこの地で開催され、さらに1901年、05年、08年と実に10年間に4度のトーナメントが行われた。アメリカのゴルフの創成期とは、まさにMyopiaと歩みを共にしてきたといっても過言ではない。

 同クラブのゴルフ場だが、特筆すべきはその難易度の高いコース設計で、USオープン史上、優勝者の最も高いスコアはこのコースで記録されている(1901年の331というスコア。さらに1898年は史上2番目、1908年は3番目も記録)。全長6553ヤード(72ホール)というコースは決して距離はないものの、狭いフェアウェーや深いラフ、アンジュレーションの大きいグリーンと、プレーヤー泣かせのホールが続く。

コースの美しさも秀でており、『Golf Magazine』による「全米トップ100ホール」で、ひとつのゴルフ場から2つのホール(4番と9番)が選ばれたのはMyopiaだけという名誉を持つ 。

「“球聖”と呼ばれたあのボビー・ジョーンズなど、Myopiaは多くの著名なプレーヤーに愛されてきました」。そう語るのはゴルフ部門のヘッドプロを務めるビル・サフィン氏だ。「創設当時からコースにほとんど手を入れず、そのたたずまいを頑に守り続けているのも私たちの誇りです」と胸を張る。

 その後、1908年を最後に100年以上USオープンの開催は行われていないが、実はこれも同クラブならではの考えによるものだ。「会員の静かなクラブライフを守るため、その後は大きなトーナメントの開催は一切控えてきました」。ゴルフ場としての名誉以上にメンバーの快適性を優先する、こうした姿勢こそMyopiaが真の名門と言われる所以(ゆえん)であるという。

Myopiaの会員数は現在、わずか360名に過ぎない。そのうち定期的にゴルフをプレーするメンバーはおよそ半数に限られる。これほどの名門コースであっても、時間に追われることなく常にゆったりと快適なプレーが可能で、実に贅沢な環境が維持されている。また、ゆとりある環境を利用した若い世代へのゴルフレッスンなども行われ、プレーやゲームの基礎に加え、スポーツマンシップやコースケアのあり方など、幅広い教育を目指す。ゴルフを通じた人間形成こそ、Myopiaが目指すクラブ理念のひとつであるという。

 次回はこうしたカントリークラブの運営面に触れ、経営の課題や挑戦なども紹介する。さらに、クラブと地域社会の共生に向けた取り組みなど、アメリカ流カントリークラブの神髄に迫る 。(『SIGNATURE』2016年5月号の誌面にて)

たなか かつよし|写真家・ジャーナリスト。1965年、横浜生まれ。ニューヨーク在住。アメリカ版『ナショナル・ジオグラフィック』誌のアシスタントを経て独立。世界各地のルポルタージュを行う。2001年からブラジルの撮影を続け、14年に『踊る! ブラジル: 私たちの知らなかった本当の姿』(小学館)を上梓。

*「アメリカのカントリークラブの現在 第1回」も併せてご覧ください。

日本初となる「世界基準」の本格的カントリークラブ誕生!

ダイナースクラブは、クラブとして誕生し、クラブにふさわしい方をメンバーに迎え、「メンバーのゆとりある豊かな暮らしに貢献する」という基本姿勢のもと、半世紀以上にわたり、さまざまなサービスを提供してきました。
ダイナースクラブは、『東京クラシッククラブ』創設にあたり、そのビジョンに賛同し、共に発展をもたらす原動力となりたいと考えています。

「美しくあること。そして、フェアなコースであること……。
ゴルフの魅力は人生にも通じており、心の豊かさは家族や仲間とのよりよき関係を築き、充実した楽しい時間をもたらします。
私が学んだ全てがこの『東京クラシッククラブ』に永遠に引き継がれることを願っています」――ジャック・ニクラス

 ジャック・ニクラス
TOKYO CLASSIC CLUB 名誉発起人

1940年、アメリカ・オハイオ州生まれのプロゴルファー。1960年代から90年代にかけて活躍し、圧倒的な強さから日本では「帝王」「史上最高のゴルファー」と呼ばれる。一方でゴルフコースの設計でも才能を発揮し、世界ベスト100コースにランキングされる名コースを世界各地に設計した。彼が設計したコースは日本ではおよそ20コースがオープンしており、東京クラシッククラブはおそらく日本で最後の設計となる。

Information

東京クラシッククラブ

千葉県千葉市若葉区和泉町237-3

千葉東金道路「中野IC」から約3分の好アクセス。

 2016年5月オープン予定

お問い合わせ:東京クラシッククラブ事務局

03-6804-1606

http://tokyo-classic.jp

*「世界基準のクラブライフを知る」 Vol.1、Vol.2も併せてご覧ください。

2016.03.22

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