Event Report

THIS IS YOUR UNIVERSE.
「人生という旅」をサポートするダイナースクラブ
スペシャルトークショー 第2部

2020年2月17日開催

2019年10月から開始されたダイナースクラブの広告キャンペーン「THIS IS YOUR UNIVERSE.」。自分を信じ、自分らしく歩み続けるキャストの真摯な姿を描いたTVCMの放映を記念し、CMに出演している俳優・写真家の永瀬正敏氏を招いた一日限りのスペシャルトークショーが開催された。

第2部

第2部はキャンペーンCMの演出を手がけた山田智和さんとのトークショー。山田さんは、米津玄師の「Lemon」や、あいみょんの「マリーゴールド」のミュージックビデオなどの演出を手がけ、「いまを切り取るピカイチの映像作家」と称される。永瀬さんも、今回初めてタッグを組む以前から注目していた映像作家だったという。

永瀬正敏(ながせ まさとし)

俳優・写真家。1966年、宮崎県生まれ。83年、相米慎二監督の映画『ションベン・ライダー』でデビュー。『息子』(91年)で日本アカデミー賞ほか10映画賞の主演・助演男優賞を総なめにし、以降数々の映画賞を受賞。2018年、芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。
https://www.instagram.com/masatoshi_nagase_official/

山田智和(やまだ ともかず)

映像作家・映画監督。1987年、東京生まれ。米津玄師の「Lemon」をはじめ、サカナクション、星野源、あいみょんなど、数々の話題となったミュージックビデオを演出。広告映像など、活動は多岐にわたる。
https://tomokazuyamada.com

CM・PV業界の人から「悔しい」と褒め言葉をもらった(永瀬正敏)

永瀬正敏さん(以下、永瀬)このコマーシャルを見たCM業界やプロモーションビデオを撮っている多くの人から「悔しい」と言われました。「先にすごい映像を作られた」という意味の、最高の誉め言葉だと受け止めています。

山田智和さん(以下、山田)そう言っていただけて、光栄ですね。僕の映像製作における基準点が、1997年に永瀬さんが出演された『J-PHONE』のCM。今回のキャンペーンでご一緒したTUGBOATさんの制作でした。永瀬さんが主役で出ていただけることも含めて、憧れていたチームにこんなに早く自分がジョインできるとは思ってもいませんでした。

MCCMのメッセージである「自分らしく生きる」の原点はどこにあるのでしょう?

永瀬役者になろうとは思っていなかったんです。坊主頭の高校生による、「もう大人なんだから」「まだ子どものくせに」と使い分ける親世代の大人たちへの反抗でした。映画『ションベン・ライダー』のオーディション広告を見て、応募しただけで満足していました。そうしたら、なぜか受かってしまった。母が「一度だけなら」と折れてくれて撮影に参加できました……。

そこで、相米慎二監督に出会ったのが大きかったんです。撮影中は一度もOKが出ず「そんなもんだろう」どまり。ただ、この現場にずっと居たいと思ったんです。僕の役者としての目標は相米監督にいつか「OK」をもらうことだった。結局、そのあと再び監督とご一緒してOKをいただく前に、相米監督は逝ってしまったので、その幻を追いかけるように俳優を続けています。

山田日芸(日本大学芸術学部)の映画学科に進んだのが直接のきっかけです。本当に映画を撮ってみたかったのかどうかはわかりませんけれど(笑)。願書には、永瀬さんが演じた私立探偵・濱マイクと、石井聰亙(現・岳龍)さんのことを書きました。

映画という宇宙に生きる幸せを感じたい(山田智和)

永瀬山田さんの「今を切り取る才能」はピカイチだと思います。米津さんのMV「Lemon」には立ち上がれなくなるくらい感動しました。「Flamingo」の車が衝突するタイミングなんて、思わず唸りましたもの。

山田出会った方々に生かされているというのが僕の唯一の自慢です(笑)。今、何をやるべきかが少しずつわかってきて、「今を切り取る」という言われ方もさほど嫌ではなくなって、「今っぽい」と言われることに抵抗がなくなってきた。

永瀬今か今じゃないかと言われたら「今」。それはとても重要なことで(山田さんのような)今を切り取って引っ張ってくれる人が未来へ導いてくれるんです。

山田僕は言葉がうまくないので、映像の中でコミュニケーションを成立させています。他者とつながる手段として、どうすればいいのか気付いたおかげで世界が広がってきた。それが映像作家として自分が続いている理由です。

永瀬僕も同じ気持ちです。表現する上での他者との「出会い」ですね。その出会いのおかげで次の世界へ踏み出せる。僕は写真を撮ること、演じること以外はダメな人間ですが、映画は、国境も言語も時代も超えられる。例えば外国で映画を撮るとしても、初めて会う人でも作品を通して、演じた自分を知ってくれていたりする。また若い頃は撮影現場で自分の宇宙にぶつけようと気負っていましたが、ふと気づくと、監督の宇宙があって、共演者の宇宙があって、それが銀河系のように組み合わさってできるのが映画だと気付きました。

山田永瀬さんのおっしゃる宇宙というのは、映画の持つ特権だと思います。僕もいつの日か長編映画を撮ってみたいですね。出演者、スタッフのそれぞれの宇宙があって、それを分かち合う瞬間、交わる瞬間が映画の素晴らしさだと思うので。

永瀬山田さんの初長編映画に、ぜひ僕も呼んでほしいです。世の中をもっと悔しがらせましょう(笑)。そして、ダイナースクラブのCM第2弾もぜひ作ってください!

MC最後に「挑戦し続ける人たちへのメッセージ」をお願いします。

永瀬自分は映画・映像にいつも助けられていて、裏切られたことがない。どんな時も映画・映像を信じていました。今まで傷ついたこともあったけど、そっと支えてくれる人たちがいたんですね。だから、信じ続けることを諦めないでほしいですね。

山田人は挑戦すると傷つきます。僕は鈍感なほうで傷ついても忘れるんです。なので、時には鈍感になって、何のためにやっているのかを考え続けて、大義を忘れずに続けましょうと伝えたいです。

写真・永田忠彦 文・高杉公秀