こだわりワイン名鑑vol.2
100種類以上の中から厳選︕「ブノワ(BENOIT)」ソムリエおすすめの『発⾒』があるワイン5選
ダイナースクラブの厳選されたレストランから、ソムリエこだわりのワイン情報をお届けする「こだわりワイン名鑑」。
第2回⽬に訪れたのは、ハイセンスなショップが⽴ち並ぶ、⽂化の発信地、東京・⻘⼭に店舗を構える「ブノワ」。100年にわたって、パリで今も愛されている⽼舗ビストロをアラン・デュカス⽒が受け継ぎ、2005年にオープンした。アラン・デュカス⽒の全てのレストランのワインを統括するジェラール・マルジョン⽒のイベントを開催するなど、パリさながらの雰囲気と味が魅⼒。
アンティークの調度品が出迎えるエントランスから螺旋階段を登ると、⼤きな窓が印象的なダイニングが広がる。店内を彩るアンティークの数々はフランスの蚤の市などでアラン・デュカス⽒が⾃ら選んだもの。
南仏の邸宅のような華やかで居⼼地の良い空間で供されるのは、フランスの地⽅料理を⼀流の技術でアレンジしたメニュー。季節の新鮮な野菜にベーコン、砂肝などを合わせた“サラダ・ブノワ”やパテなど、ワインと相性の良いメニューばかり。季節の果物を使ったデザートも⾒逃せない。
ワインはシャブリ、ボルドー、ブルゴーニュなど、フランス各地⽅を中⼼に、100種類以上を揃える。
※写真はイメージです。
「ワインは、予備知識があることで、『⾯⽩さ』、『おいしさ』が増します。私たちはツアーガイドのような存在かもしれません」という、総⽀配⼈、シェフ・ソムリエの、永⽥良憲さん。今回のおすすめは、地⽅のブドウ品種からつくられているワインなど、⼀般的にはまだあまり知られていないラインナップ。
バランスが良く、綺麗なまとまりを⾒せる、ブルゴーニュのシャルドネ。⻩⾊いフルーツのフレッシュな⾹り。樽感もほどよく感じられ、飲み終わった後に、⼝の奥から⿐に⽊の燻した⾹りが戻ってくる。豚、鶏などの⽩い⾁をシンプルに焼いたものや、焼き⿃のように、少し焦げ⽬の⾹りがありつつ、脂の⽢味と塩気で⾷べる料理とも合う。
「コルトン・シャルルマーニュという⾼級ワインを⽣産するコルトンの丘、その⻄側にあるペルナン・ヴェルジュレスという村でつくられています。コルトンの丘の他の2つの村に⽐べて⽇照量がとれない分、きれいな酸味が味わえます。⽇本では、あまり知られていませんが、王道で、かつコストパフォーマンスが⾼いワインです」
アンズやカリンを少し煮詰めて⽢くしたようなリッチな⾹りと、ワインとしての酒質の濃さが特徴。そしてハチミツが少し焦げたニュアンスも感じられる。クリームソースのかかった鶏料理など、クリーミー、濃厚な料理と合う。焼いたホタテ⾙などとも合う。フランス南⻄地⽅、プティ・クルビュという、フランスでもあまり知られていないブドウをベースに、樽をしっかり使い、ボリューム感を出すスタイルでつくられている。ブドウ品種はプティ・クルビュ、プティ・マンサン。
「シャルドネより、しっかりした⽩が飲みたいというときに。メインをはれる⽩です。⼀般的に⽊樽を使うと価格が上がりますが、1万円以下で楽しめるタイプ。低価格なのに、こんなワインがあるという新しい発⾒ができる、ブノワらしい1本です」
凛としたミネラル感に、⽩い花の⾹りやキャンディのような⾹り。フランボワーズや⾚い果実の⾹りが美しく⾁付けをしていくようなスタイル。オレンジ褐⾊の⾊合いで、同じ⾊調のサーモンやテリーヌ、素材⾃体にしっかりした味があるものとのマリアージュがおすすめ。ブドウ品種は、グルナッシュを主体にヴェルメンティーノを混醸。
「フランスをはじめ、世界でロゼの⼈気が⾼まっています。その新しい波をつくったのが、このデスクランという造り⼿。他のエリアのワインビジネスで⼤成功を収めて、世界⼀おいしいロゼをつくるというコンセプトで造ったのがこのワイン。ロゼでも、こんなに飲みごたえがあったのかと思わせてくれます」
樹齢40年~100年のグルナッシュの古樹をベースにつくられた、えぐみのない、まろやかで濃厚な味わい。煮詰めたカシスやブラックチェリー、プルーンといった⿊いフルーツの⾹り、またオリエンタルスパイスの⾹りも感じられる。まるで、⿊い球体のような圧倒的な果実味が楽しめる。煮込み系全般、ジビエ系とよく合う。ブドウ品種は、グルナッシュ、シラー、サンソー。
「ローヌ地⽅にあるサン・プレフェールは、元銀⾏員という変わった経歴を持つイザベル・フェランド⽒が当主になってから、⼀躍注⽬を浴びるようになったドメーヌ。当店にも来ていただいたことがあります。どんどん評価が上がっていて、いずれ買いたくても買えない⽣産者になるので、今こそ飲んでいただきたいですね」
カシス、ブラックベリーといった⿊いフルーツの⾹り。果実味がしっかりあり、酸がきれいに乗ったまろやかな⼝当たりがエレガント。テリーヌから⽜⾁まで、焼いた料理であればどんな素材とも幅広く合う。ロワール地⽅の⾚ワインの代名詞であるシノン。そのトップ⽣産者である、シャルル・ジョゲの上級キュヴェは評価が⾼く、このワインもその1本。ブドウ品種は、カベルネ・フラン。
「葡萄畑は丁寧に管理されており、その畑に植わるのは樹齢80年以上のカベルネ・フラン。ミディアムボディとしては、⾮常に完成度が⾼い。ボルドーやブルゴーニュで同じ価格だと、ミドルレンジになりますが、ロワーヌ地⽅などでは、その⼟地の最⾼峰のものが飲めるということも、おすすめするポイントです」
ランチは明るい⽇差しの中で、ディナーは⻘⼭の夜景を眺めながら、ワインを通じてさまざまな“発⾒”を楽しんではいかがだろうか。
この記事でご紹介しているワイン
ジェラール・マルジョン⽒のご紹介
フランス東部、ボーヌ出⾝。2000年よりアラン・デュカスのエグゼクティブ・シェフ・ソムリエ就任。経済誌フォーブスでは“世界で最も影響⼒のあるソムリエ”に選ばれたことも。アラン・デュカスの全てのレストランのワインを統括しており、記事中でご紹介しているワインのセレクトについても監修いただいた。
ブノワ(BENOIT)
住所︓〒150-0001 東京都渋⾕区神宮前5-51-8 ラ・ポルト⻘⼭10階
電話︓03-6419-4181
営業時間︓11:30〜15:30(L.O.14:00)/17:30〜22:30(L.O.20:30)
定休⽇︓年末年始(不定)
ホームページ︓http://www.benoit-tokyo.com/
年齢規定︓あり(6歳以上)
喫煙︓全席禁煙
ドレスコード︓なし
キャンセル料⾦︓ご予約日の前日21時以降のキャンセルは、キャンセル料としてランチ5,000円、ディナー7,500円から前日20%、当日80%、ご連絡のないキャンセルは100%頂戴しております。ご予約前日21時までのご連絡は、キャンセル料はかかりません。
パリさながらの雰囲気と味が魅力の「ブノワ」のソムリエが100種類以上の中から厳選する、こだわりのワイン5本をご紹介。