SIGNATURE2016年01_02月号
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お菓子の鍋を召し上がれ     写真・大志摩徹 文・品川雅彦グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』には、お菓子の家が登場する。子どもたちにとっては、まさに夢のようなシチュエーションで、「ああ、こんな家があったらなあ」と憧れた記憶をお持ちの方も少なくないだろう。家ほどのサイズではないが、もっと小さいものであれば夢を現実の形にすることもできる。上の写真は、鍋料理、ではない。中身はもとより、容器としてのココット(鍋)そのものもお菓子でできているアントルメ「ココット・トロンプ・ルイユ」。トロンプ・ルイユとは、フランス語で〝だまし絵〟を意味する言葉。英語でいうところのトリックアートだ。中身は、しっとりと焼き上げたヘーゼルナッツのビスキュイ(焼菓子)にぶ、ど、う、山、椒、の香りを移し取ったオレンジシロップを染み込ませたもの。そこに、フレッシュオレンジとマスカルポーネも加わっている。ココットの部分はショコラ。〝だます〟というよりも、驚かせる、楽しませると表現するほうが的確な一品。さて、誰が、どこから手をつけるか。しばらく観賞してからいただくか。大勢が集まった席でも、食べる前から盛り上がること間違いない。Photograph by Toru OshimaText by Masahiko Shinagawahttp://www.diners.co.jp/ja/magazine/お問い合わせ銀座三越電話03-3562-1111(代表)この素晴らしい“作品”を考案したのは、フランスを代表する名パティシエのフレデリック・カッセル。自らを「お菓子の天使」と称し、「食べた人が笑顔になるお菓子をつくること」をモットーにする彼の真骨頂がみごとに示されている。取り扱いは、銀座三越にて。11月25日より販売開始。7日前に要予約。直径15cm、8,100円(税込)以前ご紹介した話題のアイテムはデジタル版でご覧いただけます。28new ?What’s GourmetFrédéric Cassel

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