SIGNATURE2016年01_02月号
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おかやま ゆうこ/名古屋テレビアナウンサーを経てフリーに、2010年までTBS系列『NEWS23』などに出演。同年7月から約5年、ブラジル・サンパウロに在住。著書『ブラジル、住んでみたらこんなところでした!』(清流出版)。 サンパウロに住みながら、リオデジャネイロに魅せられた。ブラジル国内はあちこち旅したが、リオの空気感が一番好きで何度も訪れている。思い描いていたブラジルのイメージそのままに、眩しい太陽と明るい自然の色彩に満ちている。高層ビルが林立し、空が狭い灰色のサンパウロとは対照的で、自然も人も、何もかもが輝いて見える街なのだ。まず、訪れてほしいのがビーチ。イパネマビーチや全長3キロにも及ぶコパカバーナビーチなど、白い砂浜が延々と続く景色はまるで楽園のよう。寝そべってビールを飲んだり、近くのバーで名物カクテル「カイピリーニャ」を飲んで、のんびり過ごしたい。美しい自然の中でカリオカ(リオっ子)のように怠惰に過ごす時間は最高に贅沢だ。リオの全体像を堪能するなら、巨大なキリスト像が立つ海抜709メートルのコルコバードの丘に上るといい。頂上からの景色は息を呑むほど美しい。自然と都市のバランスが絶妙だ。大都市でありながら人と自然が心地よく共生している姿に感動する。見上げれば真っ青な空にキリスト像、見下ろせば絶景。そこにいる自分もまた自然に祝福されているような幸せな気分になる場所だ。ポン・ジ・アスーカル(海抜396メートル)からの眺めも見逃せない。これは海に突き出た奇岩で、「砂糖パン」と名づけられたとおり、おもしろみのあるこんもりとした形をしている。頂上までのロープウェイは長く、真下が岩や海で怖いが、その道中も頂上からも、恵まれた自然や陽射しに煌めく海面、街の様子を味わえる。ずっと眺めていたい光景だ。自然美だけでなく街全体の色使いにも心が躍る。店構えやファッションなどに、明るい色があふれている。小さな観光スポットである「セラロンの階段」もカラフルなタイルが215段すべてにびっしり施されており、見ていて元気になる。リオの空気は、「もっともっと力を抜いて、人生を楽しもうよ!」と語りかけてくる。そんな楽しい街に、また行かずにはいられない。眩しい色彩にあふれる街 リオ文・岡山裕子上2点:治安が悪かったとある階段に、ひとりのアーティストがカラフルなタイルを張ったことで観光名所となった「セラロンの階段」。そのエピソードがいかにもリオらしい。右下:騒がしい街の中に静寂をもたらす植物園。左から3点:世界的に有名なコパカバーナビーチ。平日でも人で賑わう。 38
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