SIGNATURE2016年01_02月号
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「シェフチョコ」と聞いて、おやっと思う方も多いだろう。実はこの言葉がビーバイビーのコンセプトを明快にしている。仕掛け人は、ベルギー王室の避暑地、クノッケ・ヘイストの2つ星レストラン『バルトロミューズ』のシェフ、バルト・デスミット氏と、ベルギー国内でショコラトリー『ヴェルレイエ』を展開するショコラティエ、ヤン・ヴェルレイエ氏の二人。「レストランで食べられる味そのままをチョコレートにしたかった」と、バルト氏が考えたのがことの始まりだ。バルト氏は、まずはベルギー北部の伝統菓子「バベリュット」(塩キャラメル)をベースとした店で人気のデザートを、チョコレートにしたいと考えた(ちなみにBbyBはバベリュット・バイ・バルトロミューズ、バルト・デスミットの略)。バルト氏は、自分のレシピをチョコレートにするパートナーを、ベルギー国内で著名なショコラティエのヤン氏に依頼する。レシピを考えるのはシェフ、それを形にするのはショコラティエ。だから名づけて「シェフチョコ」。この二人のコンセプトは、チョコレート大国ベルギーに新風を巻き起こす。まずはユニークな取り合わせのフレイバー。シェフのレシピは、ダークチョコレート×スターアニス×ハニー、ミルクチョコレート×セサミなど、型破りなものばかり。ヤン氏は、シェフのレシピをチョコレートにするために試行錯誤を繰り返す。時にはレストランが終わった夜中に、試作品を携えてバルト氏を訪ねることもあるという。貝殻や動物など大粒なものが多い従来のチョコレートに比べ、シンプルなスティック状の形もおもしろい。「フレイバーに注目してほしい」というシText by Michiko Matsumoto58右:ブルージュの店内。常時、数十種類はあるというチョコレートの形はすべて同じ。それをフレイバーごとに一直線にディスプレイ。上:異なる5種類のフレイバーを1つのキューブ型ボックスに入れるのもBbyB.のスタイル。下:シェフのバルト・デスミット氏(左)とショコラティエのヤン・ヴェルレイエ氏。ブルージュの街並みは、まるでおとぎ話に出てくるようなメルヘンの世界。文・松本美智子 . チョコレート大国・ベルギーに、2010年に誕生した『BbyB.(ビーバイビー)』。その大胆なフレイバーとスタイリッシュなパッケージのコンビネーションで、ベルギーのチョコレートの伝統に新風を巻き起こしている。チョコレートの国のモードなシェフチョコBbyB.
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