SIGNATURE2016年05月号
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れ。もうほかの馬は目に入りませんでした。鈴木:ブエナビスタと出合えるなんて、どんなに運のいい方々なんでしょう。あれだけ記録にも記憶にも残る名牝、日本の競馬に名を残す馬ですからね。稲川早苗さん(以下稲川、敬称略):私は賭け事は嫌いだったんですが、ある日主人に美味しいものを食べさせるからって、競馬場に連れていかれて。私は阪神競馬場までは行きませんでしたが、ダンスインザムードが桜花賞を勝った時は、主人は天にも昇るようなうれしさだったみたい。その後に桜花賞の祝賀会が東京であった時に、私は武豊騎手の隣にちょこんと座らせていただいて、写真を撮らせていただいた。何と華やかな世界なんだろう!の世界に興味を持ちました。そしたら、主人が「じゃあ牧場に行ってみようか」と……。「僕が紹介者になるから、とりあえず名前だけでも名簿に載せてくれ」って、半分騙されたような形でクラブに入りましたね(笑)。鈴木:楽しいお気持ちがお顔に出ていますね。最初は競馬は賭け事で嫌だと思っていても、印象が変わってくるのですね。鴨下さんは、会員歴は一番長いのですね。鴨下:私が初めて持ったのはオリエンタルアート。だから20年くらいですかね。鈴木:オルフェーヴルのお母さんですね。鴨下:最初に牧場に行った時に思ったのですが、馬って本当にきれいなんですよね。走る宝石。脚なんか本当に細くて。それから馬イゴールド×母父・メジロマックイーン)につながっていったわけですね。鴨下:オリエンタルアートが3勝してくれて。引退した時は悲しくて大泣きしました。でも、その後も馬が大好きで、一人でも牧場に行くようになりました。誰に相談するわけでもなく私の目と勘だけでG1馬を選んだことも。去年のエリザベス女王杯を勝ったマリアライトも持っています。鈴木:まあ、うらやましい。私は昭和61年からクラブ会員です。ダイナカールの時が初めて見たオークス(1983年)でした。その時、競馬はまったくわからなかったんですが、2400メートルを走って5頭が横一線。鼻、頭、鼻、頭差なんです。3歳春のお嬢ちゃまたちがこんな僅差で勝ち負けを競うなんて、とても厳しい。だけどこんな感動を見せてくれるんだわって。ですので男馬はミスターシービー、女馬はダイナカールがスタートですね。ほかに競馬ってここが魅力というのはどんなところでしょうか?北村:(ブエナビスタも管理しそこで選んだのがオリエンタルアートだったんです。自分でも手が届く値段だったし、好きだったメジロマックイーンの子でしたので。鈴木:その馬が今の黄金配合(父・ステた調教師の)松田博資先生とか牧場関係者と懇意になって、本やメディアに出ない話を聞けるのも魅力のひとつですね。稲川:私は主人の両親を介護していて、このまま行くと主人と私の人生はレールで交わらないなって思っていました。でも、例の武豊さんのパーティの後は、競馬という共通の話題ができたんですね。競馬場に行って、馬の澄んだ目を見ると、大変なことがあった時でも気持ちが晴れやかになりますよね。鈴木:サラブレッドの頑張る姿は心に訴えかけてくるものがありますね。稲川:勝ったときは「僕頑張ったでしょ」って誇らしげにして胸を張っている。やっぱりわかるんですよ、みんなから褒められているのが。北村:馬の走っている姿って、時々龍が走っているように見えるんですよ。私だけでしょうかね?稲川:いや、大丈夫、わかりますよ。アイスフォーリスって馬が真っ白に近かった。妹がテレビで見ていて、「そのまま羽が生えて飛んでいきそうだったよ」って言っていました。じーっと見ていると何かの化身みたいです。北村:夢を乗せて走っていますよね。鈴木:続いては、皆さんの海外でのないといけない……。マレーシアとタイとシンガポールにいる友達のところも回って、結局ドバイも含めて15泊を新婚旅行ということにして行ったんです。鈴木:海外の競馬場でいいなあと思われたところはありますか。稲川:香港は華やかでしたね。競馬場の中に大道芸人みたいな人がいた。ダンスを踊っている人とかもいた。日本では考えられません。鴨下:ドバイもそうでしたね。花火が上がって。北村:国を挙げてのイベント。見るもの聞くものすべてがびっくりでした。ドバイは砂漠の真ん中にある都市ですから、最初に行った時は飛行機から下を見て、どこに到着するのかしらなんて思いました。知念:これからもいろんなところに行きたいですね。特に凱旋門賞はやっぱり行きたいです。鈴木:私は日本馬が行くと追っかけて、競馬場には独特の華やかさがやっぱりありますね。ファンがすごくおしゃれして思い出をお聞かせください。知念:馬のおかげで新婚旅行に行きました。ブエナビスタが1年目のドバイ遠征の時です。主人が会社に馬主だって言ってなくて、でも休ま北村久美子さん。ご主人がブエナビスタに出資し、同馬のドバイ遠征にも参加。女子会の幹事的存在。知念文子さん。ご主人と婚約中にいきなりブエナビスタと出合う幸運の持ち主。鴨下茂子さん。ブエナビスタやダンスインザムードにも出資していた。稲川早苗さん。ご主人の出資馬ダンスインザムードの桜花賞制覇が、競馬熱の高まるきっかけに。13か国32の競馬場に行きました。外国の79

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