SIGNATURE2016年06月号
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よんようまざまな窯元や陶磁器商社がひしめく有田において、時代の気運やライフスタイルを意識しつつ、伝統とデザインを融合させた普遍的な器を世に送り出してきたのが有田焼・波佐見焼の産地商社『KIHARA』である。現代の食生活やインテリアに合わなくなっていた有田焼を、再び暮らしの中で愛される器にするべく、窯元とデザイナーを繋ぎ、新たな販路を開拓する彼らが2004年に立ち上げたのが「有田HOUEN」だ。これは有田の窯元4社と、永井一正、佐藤晃一、高橋正、川上元美、近藤康夫、橋本夕紀夫、小泉誠という錚々たるデザイナー陣に画家の吉澤美香を加えた8名とのコラボレーションのもとで続けられているブランド。「有田四様」と名づけられたシリーズでは、初期伊万里、柿右衛門、鍋島、古伊万里の各様式の決まりごとを守りつつ新たな有田焼をつくり出そうと試みている。また、日本の伝統紋様をモダンにアレンジしたシリーズ「KOMON」などにも、伝統と現代を結びつけるKIHARAの姿勢が見てとれる。有田焼創業400年を記念したプレート「ARITAICON」や、東京との地域コラボレーションによる「TOKYO ICON」も評判を呼んでいるKIHARAは、400年記念事業のひとつ「ARITA 400projectンバーとして、今年1月にパリで開催されたインテリア&デザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも出展。アートディレクターの佐藤可士和らとのコラボレーションも好評を博した。有田焼がつねに現在進行形であり続けるために、彼らの挑戦はこれからも続く。さ   」のメ有田・波佐見の伝統産業を未来へつなぐⒸ KIHARA INC. All Rights Reserved.*価格はすべて税抜左から:「初期伊万里様式」そば猪口 雨紋 2,500円、「鍋島様式」そば猪口 椿紋 3,000円、「柿右衛門様式」そば猪口 稲妻紋 2,000円左上と右下:「柿右衛門様式」取皿 稲妻紋、取皿 風紋(径15㎝、D:吉澤美香)各2,000円/中:「古伊万里様式 金襴手」大皿 鯉紋(径30.5㎝、D:永井一正)35,000円/右:「初期伊万里様式」大皿 星紋(径30㎝、D:佐藤晃一)18,000円左:有田焼創業400年を記念して制作されたARITA ICON。名所と風景16か所と有田焼の道具16個のアイコンが描かれている。「Arita Icon」(径24㎝)3,300円。右:古くより伝わる日本の伝統紋様をモダンにアレンジした「KOMON」シリーズ。豆皿(径10.8㎝)各600円KIHARA直営店佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 有田焼卸団地内電話 0955-43-2325 http://e-kihara.co.jp/62KIHARA

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