SIGNATURE2016年07月号
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お問い合わせ松崎商店電話03-3561-9814写真・大志摩 徹 文・品川雅彦27『銀座松﨑煎餅』は文化元年(1804年)に、芝の魚籃坂にて創業。慶応元年(1865年)には銀座の地に店を移し、江戸から東京へと名を変えた街と共に歩んできた。代々の家訓は「一枚一枚心を込めて、手を抜くな」。ていねいな手仕事を守り、老舗の暖簾を今に伝えている。 写真の「三味胴」は、小麦粉、卵、砂糖を原料とした瓦煎餅。命名は、形が三味線の胴に似ていることに由来する。煎餅の表面を滑らかに整え、そこに焼印や砂糖蜜で花鳥風月の様を描き出した一連のシリーズ。季節感豊かな日本の情緒と江戸の粋、洒落と洒脱の文化を、軽妙に、そしてみごとに表している。都心では、雨に打たれる紫陽花も、鮮やかな朝顔も、軒先のてるてる坊主も、ましてや柳の葉に向かって跳び上がる蛙の姿も、目にする機会はほとんどないけれども、「三味胴」には古き佳き江戸・東京が息づいている。 四季折々の情景を写し取って詰め合わせにした「暦」のほか、月ごとに新しい絵柄も加わる。さらには、オリジナルの絵柄の注文も可能。公私にわたる記念や、親しい方への贈り物にもふさわしい。デジタル版シグネチャーは下記よりご覧ください。『銀座松﨑煎餅』の本店所在地は、銀座4-3-11 松崎ビル。その自社ビルの1階が店舗、2階はお茶席、3階には画廊を設けている。今年の4月9日には世田谷区に『松陰神社前店』(世田谷区若林3-17-9 電話03-6884-3296)もオープン。地域密着・原点回帰をテーマに、カフェスペースも併設した店舗となっている。店は街に根付く。「江戸瓦 暦」8枚セット1,000円/ 1枚パック120円〜(共に税抜)http://www.diners.co.jp/ja/sig/m1607/Photograph by Toru OshimaText by Masahiko Shinagawa『銀座松﨑煎餅』の粋と情緒と、洒落洒脱What’s new ?GourmetGinza Matsuzaki Senbei

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