SIGNATURE2016年07月号
47/88

456 ライター、翻訳家、比較文学研究者、1児の母。長年のフランス暮らし、モロッコ通い、3年間の上海暮らしなどを経て、現在、鹿児島大学講師。著書に『クスクスの謎』(平凡社)、『パリで出会ったエスニック料理』(木楽舎)などがある。食べたくなる。もともと、甘いものには目がなかったというめぐみさんの家の食卓に並ぶのは、砂糖を使わなくても甘いデザート。なかでも、「甘酒ソルベ」は今の季節の定番。甘酒を凍らせただけの手軽なデザートだ。甘酒は、アミノ酸、ビタミンB群、葉酸、消化酵素を含み、夏バテにぴったり。しかも、米麹が生み出す自然の甘さは、血中の糖濃度を急上昇させて体を冷やしてしまう白砂糖とは異なり、腸をきれいにし、脳の働きもよくしてくれる。砂糖代わりにヨーグルトや豆乳に入れたり、料理に用いたり、使い道は無限大。麹菌はメラニン生成を抑える働きがあるので、夏のシミ対策として毎日飲んでもいい。米麹の無加糖の甘酒ならば、アルコール分はゼロ。赤ちゃんにも安心して与えられる。身体全体をバランスよく改善してくれる「果汁の葛ゼリー」も、めぐみさんのおすすめ。現在も、江戸時代と同じ手法で採取・生成される葛粉は、「葛根湯」でおなじみの民間治療薬。整腸、血糖の安定、鎮痛、免疫機能の向上、解熱、それに、老化防止などの効用を持つといわれている。漢方の原料として、また、食料として、2000年以上も前から用いられてきた葛粉で作られたゼリーは、つるんと食べやすく、風邪をひいた時、食欲のない時に最適。また、食べすぎ・飲みすぎの翌日や、アレルギーやアトピー持ちのおやつとしても。ただ葛粉は、コーンスターチや甘藷デンプンなどの混ぜもののない「本葛」を、ぜひ選んでほしい。number311.葛ゼリーを食べる玲香ちゃん。2.甘酒を凍らせたソルベ。抹茶味、プレーン、ブルーベリーの3種盛り合わせ。3.みかんとりんごの葛ゼリー。4.小さな手でおにぎりを握る玲香ちゃんのお姉ちゃん。5.つかみ食べをしたい時期。6.マクロビオティックの基本理念「陰陽論」に従って、重ねて調理された野菜。野菜の旨みが濃縮されたこの「野菜の重ね煮」で、味噌汁に出汁が必要なくなる。49Photographs and Coordination by Megumi IkedaJapanese Macrobios

元のページ  ../index.html#47

このブックを見る