SIGNATURE2016年07月号
60/88
た。三井住友信託銀行グループの三井住友トラストクラブが、日本における唯一のダイナースクラブカード発行会社となったのである。これを機に、ダイナースクラブでは日本の「食」や「文化」を見直し、次の世代へとつなぐ『日本の食文化応援プロジェクト』をスタートさせる。その意義を野原幸二社長はこう語る。「ポイントは二つあります。まず第 2 015年12月、ダイナースクラブは、新たなスタートを切っ一に、『食』というダイナースクラブの原点に改めて着目すること。ダイナースクラブはその名のとおり、食事を楽しむ人のためにアメリカで設立されたクラブから始まりました。会員の皆様に対し、いかにプレミアムなサービスや付加価値を提供できるかに注力することで、独自性を発揮してきました。つまり決済を主たる目的とする他のクレジットカードとは、原点が大きく異なるわけです」「ポイントの第二は、食の中でも『日本料理』『日本酒』『日本が誇る食材』そのものに加え、それらを育んできた文化、地域、担い手にまで目を向けていきたい。日本においては、初のクレジットカードとしてダイナースクラブが登場したのが1960年。以来、食を大事にしてきたことは間違いありません。ただ、どちらかといえばフランス料理やイタリア料理、ワインなど、欧米スタイルの食文化を日本に紹介する入口の役割を果たしてきた側面が強かったのも事実です。一方、日本には、世界に誇るべき長い歴史を持った、独自の食文化があります。せっかく、日本企業を親会社に持つ三井住友トラストクラブがダイナースクラブの運営をすることになったのですから、そうした日本の食文化を見直すという視点を加えたいのです」そうした中で、具体的にどのような取り組みが考えられているのだろうか。「たとえば、日本の蔵元400以上が参画し、7月29日に表彰式が開催される『SAK E COMPETITION2016』に協賛することにしまし写真・永田忠彦 文・小澤啓司ダイナースクラブスタート宣言『日本の食文化応援プロジェクト』日本食文化の未来を見据えて70Photograph by Tadahiko Nagata Text by Keiji Ozawa
元のページ
../index.html#60