SIGNATURE2016年10月号
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Event InformationColumnSignatureText by Yoshiko IkumaUTAU DAIKU in Wienジョン・健・ヌッツォと歌い手 Photo:David Moserゲラルド・ヴィルト Photo:Lukas Beck*詳細ならびにツアーへのお申し込みは95ページをご覧ください。主催:一般社団法人世界音楽合唱チャリティー協会実施日程:2017年3月12日(日)19:30開演会場:ウィーン楽友協会大ホール「黄金の間」スペシャルゲスト:ウィーン少年合唱団指揮者・合唱指揮(予定):ゲラルド・ヴィルト演奏:ウィーンカンマーオーケストラ出演者(予定):吉田珠代(ソプラノ)、マリアーナ・リポヴシェック(メゾソプラノ)、ジョン・健・ヌッツォ(テノール)、ヴォルフガング・バンクル(バス)2016年の第3回コンサートの模様 Photo:Patrick Domingoウィーン少年合唱団 Photo:ANTO/ LammerhuberPhoto:ANTO/ Trumler東日本大震災復興支援プロジェクト第4回 UTAU DAIKU in ウィーン 音楽ファン憧れの殿堂『ウィーン楽友協会』のステージで、著名ソリスト、ウィーン少年合唱団とともに第九を歌う感動体験に、ぜひご参加ください! 文・伊熊よし子 ウィーン楽友協会の「黄金のホール」といえば、音響のすばらしさで世界で3本の指に入るコンサートホール。ウィーン・フィルの本拠地として知られ、毎年元日に行われるニューイヤー・コンサートの会場としても有名だ。そのホールで2014年から行われているのが、「UTAU DAIKU」。ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」の第4楽章「歓喜の歌」を著名なソリスト、指揮者、オーケストラ、そしてウィーン少年合唱団とともに歌おうというプロジェクトである。 これは「東日本大震災復興支援プログラム」として発足し、音楽交流を通じて日本とオーストリアの友好を深めることを目指している。これまで日本から660名の合唱団員が参加、コンサート入場料の一部と会場内での募金総額は約500万円を超え、被災地に寄付されている。今回の指揮者は、ウィーン少年合唱団の総裁・芸術監督を務めるゲラルド・ヴィルト、演奏はウィーンカンマーオーケストラ。歌手は吉田珠代(ソプラノ)、マリアーナ・リポヴシェック(メゾソプラノ)、ジョン・健・ヌッツォ(テノール)、ヴォルフガング・バンクル(バス)といった実力派が予定されている。 コンサートでは、ウィーン少年合唱団とともに歌えるというのも大きな魅力である。彼らは創設以来500年以上の歴史のなかで「第九」を歌うということがなかった。日本からのオファーにより2014年に初めて合唱に参加したわけだが、最初に日本から申し出があったとき、合唱団側はたいそう驚いたそうだ。やがてふだんのレッスンに「第九」が加えられ、いまではベートーヴェンの作品を歌うことに喜びを抱き、心から楽しんでいるという。 ウィーン少年合唱団にとって新たな歴史の一ページを刻むことになったわけだが、日本から合唱に加わる人々もまた人生の新たな扉を開けることになる。ウィーンで「歓喜の歌」を歌う――きっと新鮮な感動に心が震え、忘れえぬ時間が生まれるに違いない。234音楽ファン憧れの感動体験。聴く「第九」から、共に歌う「DAIKU」へ

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