SIGNATURE2016年11月号
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永遠のミニマリズムと、時計機構の妙なる調和東京の国立西洋美術館が、今年7月、世界の「ル・コルビュジエ建築作品」のひとつとして世界文化遺産に登録され、話題となった。ピロティに支えられた直方体、外階段と入口。アプローチの敷石の平面から立ち上がる闊達な立面。装飾を排除して、なおそこに表現された黄金比を感じる左右上下の絶妙なバランス。巨匠による絶佳のミニマリズムに心打たれる。「端」とは、正座して神に仕える人の容をいう。この建物は上野の森に端座、沈黙の説得力がある。名門マニュファクチュール、ジラール・ぺルゴに「1966スティールコレクション」が誕生した。高度な技術の累積による濃密な機構を秘めるも、その面持ちはさりげなくシンプル。ル・コルビュジエに通底する、卓越した革新性と独自性による理想の永遠美がある。ジラール・ペルゴの誠実な時計づくりは内部機構をアートへと押し上げ、入念なデザインによるミニマムな外装という〝美術館〟を得て使い手に幸福をくれる。そういえばジラール・ペルゴの本拠地である時計の聖地、スイスのラ・ショー・ド・フォンは、ル・コルビュジエの生誕地でもあった。 写真・大志摩徹 文・大川邦之かたち左:1,070,000円、右:840,000円(共に税抜)お問い合わせソーウインド ジャパン電話03-5211-1791創業225年以来、躍進を続けるジラール・ペルゴの新作。左:「1966スティール デイト&ムーンフェイズ」、右:「1966スティール 40㎜」。共に自動巻き、SSケース、径40㎜、パワーリザーブ約46時間、日常生活防水。シルバー乳白色文字盤がていねいな仕上げで清潔感と温かさがある。25デジタル版シグネチャーは下記よりご覧ください。http://www.diners.co.jp/ja/sig/m1611/Photograph by Toru OshimaText by Kuniyuki OkawaWhat’s new ?Watch & JewelryGIRARD-PERREGAUX
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