SIGNATURE2016年11月号
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しつらい「善五郎」の銘で、千家好みの土風炉や茶京や料室理礼となはど味そはのも空ち間ろすんべ、盛てりを付五け感で愉しむ総合芸術だと言われる。なかでも茶事から発展した京懐石でことに重んじられるのが、料理と調和し心地よい時空を紡ぐ器だ。そこで今回のテーマは料理と器。南禅寺畔に約400年前に創業、京懐石を代表する老舗であり、数々の名器をもつ『瓢亭』が、今回は永樂の器と競演する。永樂とは、室町期より茶道三千家の茶道具を製作する千せんけ家じゅ十っし職ょくどぶのろ一つ。碗などを500年来手がけてきた。茶人を魅了してきた器は京焼最上級の一つとされ、京の色絵の代名詞とも。そんな永樂を「何といっても華があります」と語る瓢亭十五代目主人・髙橋義弘氏。金彩はじめ華やかな意匠は一見個性的にも思えるが、手にしっくりなじむフォルムに加え、膳上の景色が映えるよう見事に計算されているという。「料理は器と一体40イベント当日の膳に供される十四代の妻・妙全「黄交趾 熨斗向付」(右)と、十五代・正全「仁清 熨斗宝絵向付」(左)。『瓢亭』の常連でもあった十六代・即全が手がけた「赤絵 四方入向鉢」を手にする主人の髙橋義弘氏。Diners Club Event Informationダイナースクラブ 2016年 秋の京都イベント毎年好評を博している京都の会食会。7回目を数える瓢亭で初めて夜に開かれ、京焼の名家・永樂の器との競演が見ものだ。京の粋が集う饗宴である。古都を代表する名亭と名器の競演錦秋の京都 瓢亭と永樂善五郎

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