SIGNATURE2016年11月号
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ってよくないってなことを言いますが、やっぱり半歩先を行く、そこに、意気であったり、粋であったり、そういうものがあるんじゃないんですかね」と粋な返し。 「魚河岸の世界でも、職人という言葉がだんだん死語になってきているようなところがありまして、それがやはり私たちも、伝統という世界にいるなかで、すごく難しい部分ではないかと思います。職人さんて本当に難しくて、古いものだけを受け継ぐんじゃなくて、やっぱり新しいものをエキスとして取り入れなきゃいけないし、変わらないものを持ち続けながら、変わっていかないと駄目だと思いますね。だから春夏秋冬でも、いろんなものでも、築地に足を運ぶと変化がすごくわかるような気がしますよね。ああ一年すぐ経っちゃった。ほんとにもう正月。最近、正月って気分がしないなっていうけど、築地の側に行くと、お正月の香りがしたり、そういう肌で感じることがあると思います」 「歌舞伎の世界もそうなんですけれども、築地のみなさんも、当たり前のことをしているんです。日本の食文化を支え、当たり前のことをやってるのが、外から見ると新しくてかっこいいことに見えるっていうのが不思議なところです」という橋之助丈の言葉を嚙みしめながら、映画館から、また歌舞伎座から築地まで、ひと足延ばしてみてはいかがだろうか。すいそば映画『築地ワンダーランド』公式サイトで予告編がご覧になれます⇒http://tsukiji-wonderland.jp/85スティール写真:映画『築地ワンダーランド』より ©2016 松竹各国の映画祭に出品され話題を呼ぶ『築地ワンダーランド』のタイトルバック。『築地ワンダーランド』への協賛は、ダイナースクラブが、原点である「食」に立ち返りスタートした、新たな取り組みの一環です。「日本の食文化を応援します」をスローガンに掲げ、日本が誇る料理や酒、食材に加え、日本の食文化を担う次世代の支援を行うことを通して、食文化の継承・発展に寄与していきます。TSUKIJI WONDERLAND映画[第42回 シアトル国際映画祭 キュリナリー・シネマ部門正式出品][第64回 サン・セバスチャン国際映画祭 キュリナリー・シネマ部門正式出品][第36回 ハワイ国際映画祭Eat, Drink, Film部門正式出品][第16回 ベイルート国際映画祭Culinary/Environment部門正式出品][第40回 モントリオール世界映画祭ワールド・ドキュメンタリー部門正式出品]すきやばし次郎、鮨さいとう、すし匠、石かわ、銀座小十、ESqUISSE、noma、道場六三郎……。料理界を牽引する職人たちがなぜ、築地に魅せられるのか?――80年間、日本の食文化を支え続けた唯一無二の「ワンダーランド」。築地にたずさわる人びとの、情熱に満ちた生きざまが胸に迫る出色のドキュメンタリー!2016年10月1日(土)築地〈東劇〉先行公開 10月15日(土)全国ロードショー『築地ワンダーランド』

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