海岸線を走る汽車、電車の旅には乗客に安堵を与えるところがある。日本人に限らず、同じことをスコットランドの人から聞いたことがある。どの国でも、汽車、電車が海岸線を走るのは、鉄道創設当初の技術も影響をしているが、大半は、その国の地形がそうさせている。イギリス、スコットランドなどは、日本と、平地の領域が海岸線にしかない点がきわめてよく似ている。スコットランドは、今でこそゴルフのリンクスコースが有名だが、このゴルフ熱の発展は、鉄道の開発と大きく関りがあった。当時、都会の人々は、ゴルフバッグをかかえて汽車に乗り、海岸線のリンクスコースにむかったのである。海岸線を走る電車の美しい風景は日本の各地にある。私が生まれ初めて乗った汽車も、瀬戸内海の素晴らしい展望を窓から眺めることができた。これまで乗った海岸線を走る電車で、どこが一番良かったか、と記憶をたどると、さまざまな路線が思い出されるが、そのひとつに北海道の日高本線がある。苫小牧から襟裳岬方面にむかう単線路である。私は、この路線に三度乗った。最初に乗ったのは、今から三十年近く前の夏であった。その頃、私は競馬が趣味のひとつで、競走馬の美しい姿を見ていると、第九十九回北海道・様似町 8Text by Shizuka IjuinIllustrations by Keisuke Nagatomo 初初めめてて見見ままししたたああんんななにに美美ししいい海海はは
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