yen Gia Triに由来する。そのボザールの名を冠する本格的な美術教育機関に、多くのベトナム人が入学を志願した。現在のホーチミン市美術館には、このハノイのボザールから巣立った芸術家たちの作品が数多く収められている。なかでも、グエン・ザー・チー(Ngu完成した漆画「春の庭園」は、美術館の目玉。「漆画」とは、インドシナ美術学校で生まれたベトナムの漆を使った絵画表現。絵画の中の3人の若い女性は、それぞれ、中央、北、南ベトナムを象徴し、長い年月をかけて再び一緒になれた喜びを表している。無名の戦士たちを描いた戦争のスケッチ画も数多く展示されている。美術が戦意高揚の道具として使われていた事実を伝える絵画群は、多くの示唆に富む。美術館として使用されているインドシナ建築のヴィラは、もとは中国人富豪の邸宅。フランスの職人がベトナムで焼いたタイルや地中海からの大理石など、インテリアも興味深い。珠玉の絵画の数々を所蔵するホーチミン市美術館を満喫したいのなら、ソフィーズ・アート・ツアー主催のアートツアーにぜひ参加したい。イギリス人ガイドのスチュー・パルマーさんがわかりやすい英語で、歴史背景をふまえながらベトナム美術をていねいに説明してくれる。平凡な観光では知ることのできない、ベトナムの魅力を発見できるだろう。、阮嘉治)が30年をかけてUrbun Art Gallery “Giant Step”3A Ton Duc Thang, District 1, HCMC+84 126 415 4338右:サイゴン初のエレベーターが設置されたのが、この建物。当時のエレベーターは、そのまま美術館の正面玄関に。左:ステンドグラス付き丸窓と、アールヌーヴォーの影響が感じられる階段の手摺りの曲線。37ストリートに特化した新しいアートスペースが『ルメリディアン・サイゴン』の近くにオープンした。フランスに生まれ育ったフレンチベトナミーズのサビー・チャンによるこのギャラリーは、ご覧のとおり、グラフィティアート専門。サイゴンのストリートアートの伝道・発信地的役割を担っている。 - アーバンアートギャラリー ジャイアントステップ
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