SIGNATURE2017年01_02月号
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確かに豪華絢爛だ。だが、このホテルでは「ラグジュアリー」という言葉が陳腐に聞こえてしまう。『ザ・レヴェリー・サイゴン』は、採算を度外視し、本物を志向するために惜しげもなくコストをかけている。イタリアのプロヴァッシ社が手がけた客室「ザ・レヴェリー・スイート」を見てみよう。プロヴァッシは、日本でこそ知られていないものの、イタリアのクラフツマンシップを受け継ぐブランド。4人兄弟のファミリーで織り成すクラシカルなハンドメイドの製品は、すべて16〜17世紀のルネサンス資料の丹念な研究によって考案されたデザイン。ブランド創業は1970年と新しいものの、先祖代々引き継がれた伝統工芸の息吹が伝わってくる。重厚でクラシカルなムードのプロヴァッシと対をなすのが、同階にある「ザ・サイゴン・スイート」。ここは、カッシーナ&ポルトローナ・フラウによる客室で、機能と合理性を重視したシンプルなモダニズム空間。フランク・ロイド・ライトによるダイニングテーブルやチェア、フランコ・アルビニの本棚、シャルロット・ペリヤンとル・コルビュジエの椅子、メレット・オッペンハイムのサイドテーブルなどに囲まれ、まるでミュージアムの中で暮らしているような気分になれるのはうれしい。いずれのスイートも、ベントレー、マイバッハ、ロールスロイスのいずれかで空港送迎サービスがあり、英国執411200平方メートルもの広々とした空間のザ・スパ。個室10室のほか、ネイルスペースと美容室も完璧。マイナスイオンのスチームミストや、ヒマラヤ岩石が埋め込まれたサウナルームも快適。スタッフも英語が堪能で、ホスピタリティにあふれる。クオリティからすれば、どのコースも比較的リーズナブルだ。上:マッサージのための竹、チェー。中:欧米でも人気の吸玉療法のベトナム版「ヤッホイ」。一般家庭にもセットが常備されているほどポピュラー。下:竹マッサージは、リンパの流れの改善だけでなく、二の腕やふくらはぎの痩身効果、セルライトにも。温めてホットストーン的に使うことも。    Special FeatureTHE SPA+84 8 3823 6688http://thereveriesaigon.com/the-spaPhong cach Sai Gonザ・スパ

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