スペインでの宴を満喫した後、美酒を巡る旅はいよいよ最終地のイギリスに。イギリスとワイン……一般的には無関係のように響く。しかし「シャンパーニュ地方でシャンパーニュが造られる数十年前から、実はイギリスにスパークリングワインがあったのです。一旦は廃れてしまいましたが、400年の歴史を経てまたイギリスで造られるようになりました」と田崎氏は語る。ロンドンから南東に車で約2時間、ケント州にある『ハッシュ・ヒース・エステート』は、今イギリスに起きているそんな新しい潮流をリードするワイナリーだ。オーナーのリチャード・バルフォー国でスパークリングワインを造りたいとの情熱から「イギリスの庭」と呼ばれるこの地に土地を購入、2002年からブドウ植栽を開始した。田崎氏が「マロラクティック発酵がないので、フレッシュな果実味と瑞々しい味わい」と評したそのブリュットロゼ、バルフォーは、近年大きく評価され、イギリス産スパークリングワインとして初めてブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスに採用された。このワイナリーの醍醐味は、ワイン専門家と共に野趣あふれるブドウ畑を巡るウォーキングツアーと試飲セッション。オーナーのワインへの高き志とロマンが息づく、400エーカーの広大な天然林や果樹園に囲まれたブドウ畑を眺めながらのスパークリングワインには、田崎氏との美酒の旅の終焉にふさわしい、格別の味わいがあった。 ■ リン氏は、自「イギリスの庭」の広大なワイナリー52左:『ハッシュ・ヒース・エステート』のプレミアムライン、バルフォー。同エステートで栽培されたシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを使用。瓶内二次発酵、24か月熟成。右:イギリスに多く見られる限りなくフラットな土地に広がるブドウ畑とリンゴ園。ワイナリーから車で約10分のガストロパブ『ゴウドハースト・イン』。ビアバタード(衣にビールを入れて揚げた)フィッシュ・アンド・チップス(写真下)、スコッチエッグやフィッシュパイなど、イギリスの伝統的な料理をモダンにアレンジした料理がそろう。ワイナリー内の果樹園で収穫されるリンゴを使った、すっきりした味わいとフレッシュなアロマのサイダーもおすすめだ。左:ワイナリーのオーナーである、リチャード・バルフォー■リン氏と田崎氏。1503年に建てられたチューダー朝スタイルが印象的なマナーハウスの前にて。建物の周囲に広がるイングリッシュガーデンも息をのむほど美しい。中:メロウなペールアプリコット色が魅力のバルフォー。国際的なワインコンクールで何度もゴールドを受賞している。右:大切なワインが眠る貯蔵庫。ハッシュ・ヒース・エステート Pilgrimage to the Wine Heaven United Kingdomワイナリーが経営するガストロパブで、新英国料理に舌鼓「イギリス産のスパークリングワインが今、世界的に注目されています」HUSH HEATH ESTATE
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