SIGNATURE2017年03月号
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三つ子の胃袋百までも、一家に1セット。乳鉢と乳棒だし パキスタンは、米食文化圏と麦食文化圏が交差するところ。だから、赤ちゃんも、米と麦の両方を食べながら大きくなっていく。お米を使った伝統的な離乳食は、「キチュリー」。日本の「おじや」に近い食感で、鶏肉などから出汁をとった優しい味だ。一方、麦を使った離乳食の代表は、「ロティ」(チャパティとも呼ぶ)。全粒粉でつくったロティは、1歳頃から食べることができる。ちぎったものを赤ちゃんの手に握らせ、しゃぶらせながら食べさせる。 イスラマバードに住むロハちゃん(8か月)は、キチュリーもロティも大好き。でも、一番好きなのは、やっぱりママのおっぱい。コーランの第2章(アル・バカラ章233節)には、「母親は満2年間授乳する」とあり、イスラム世界では理想授乳期間が2年というのが常識になっているらしい。ロハちゃんのママも2年間は授乳するそうだが、残念ながら、パキスタンの都市部では「授乳派」が減っているという。帝王切開をすすめる医師が多く、抗生物質などのせいで母乳育児が軌道に乗れないケースが多いという。正しい知識と的確なアドバイスを与えてくれる産後指導が不足しているようだ。 おっぱいのほかにロハちゃんが好きな飲み物が、「ルーハフザ」。中東や南アジアでメジャーなこの飲み物は、鮮やかなピンクの甘いシロップ。薔薇とハーブの香りが特徴で、ロハちゃんは水で割って飲んでいるが、ラッシーや牛乳に入れることも多いという。飲んでみると、やはりかなり甘いのだが、甘ったるいだけではなく、ほんのりとしたスモーキーな後味も。調べてみると、薔薇のエッセンスや果汁の4221Rooh afza文・にむらじゅんこユナニ医学の智慧と伝統

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