と現在が誇らしげに並べられている。王立武器工場をリノベーションした『シテ・デュ・デザイン』には、学校や展示施設、デザイン関連企業が集まり、今年で10回を数えるデザイン・ビエンナーレが開催され、世界中から来訪者を迎える。 サン・テティエンヌ近郊のフィルミニ・ヴェール一帯も、観光の目玉にしようと決断。20年間閉鎖されていたユニテの北側部分を修復、供用を再開し生気を取り戻させた。未完のまま放置されていた教会も建設を再開、2006年には完成にこぎつける。そして2016年に世界遺産に列記された文化会館とともに、競技場、プール、教会、ユニテを含めて「シテ・ル・コルビュジエ」とした。ここはヨーロッパでも最大規模のル・コルビュジエ作品エリアであり、建築巡礼の聖地となりつつある。 自治体はデザインを核とした政策を積極的に実施し、これらの建築物や産業、教育、イベント・展示施設などにより、2010年にユネスコデザイン都市に指定された。かくして斜陽産業の負債を抱えていたかつての工業都市は、デザインの力によってその黒い重荷を輝石へと更新し、創造的なデザイン都市として再び内外へと発信しはじめている。Saint-ÉtienneParisサン・テティエンヌ・メトロポール近現代美術館(MAMC)パリのポンピドゥー・センターに次ぐ、2万点におよぶフランス第2の近現代アートコレクションを所蔵する美術館。常時、複数の企画展が並行して行われている。www.mam-st-etienne.fr53産業芸術美術館フランスにおける産業革命発祥の地として、工業の中心地として栄えたサン・テティエンヌの、兵器や自転車、織り機、テキスタイルデザインなどの歴史を展示。www.musee-art-industrie.saint-etienne.fr街のあちこちにはデザイン・ビエンナーレに際してつくられたパブリックアートがそのまま残されている。www.biennale-design.comイロ・グリュネール《Îlot Grüner》リール・メトロポール現代美術館の新館の設計などで知られるパリの女性建築家、マニュエル・ゴトランによるフューチャリスティックなビジネスセンター。http://saint-etiennetourisme.comオテル デュ ゴルフサン・テティエンヌ市内中心部から車で約15分、ゴルフコースに隣接したモダンでフレンドリーなブティックホテル。客室とスイートは、バロックやボヘミアンなど異なる4つのスタイルの装飾が施されている。www.hoteldugolf42.comL'Architecture d'aujourd'huiサン・テティエンヌ現代建築スポット
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