SIGNATURE2017年03月号
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そらおたきやたけみよりめのみことはじめ写真・永田忠彦 文・小針かなえ 松尾芭蕉が、門人・曾良とともに白河の関を越え、奥州・須賀川を訪れたのは田植えの時節。人びとの作業歌を耳にした芭蕉は、〝風流の初やおくの田植えうた〞という句を詠み『おくのほそ道』に残した。 芭蕉らが詣でた須賀川市の神炊館神社は、その名の由来を御祭神である建彌依米命が新穀を炊いて神々に感謝した事蹟によるとしている。 12月初旬、この大社の一角に祀られている松尾神社に、福島県酒造組合須賀川支部の蔵元と杜氏が集った。新酒の仕込みを前に執り行われる神事に参加するためだ。酒蔵の長たちは玉串をささげ、宮司から御神酒を受けて、今冬の酒造りの成功と安全を祈願する。 酒造りに従事する人びとは醸造祖神・松尾神社のことを「松尾様」と呼ぶ。『松崎酒造店』の六代目蔵元杜氏・松崎祐行さんの語り口にも、お酒の神様に対する敬いと親しみが込められていた。 「SAKECOMPETITION2016ひろとがわ日本から世界へ――「ブランドによらず、消費者が本当に美味しい日本酒に巡り合うための新しい基準」を目指すコンペティション「ダイナースクラブ若手奨励賞」に輝いた酒蔵『松崎酒造店』を代表する「廣戸川」。その酒を生み出す「米と水と人」を、福島県・天栄村に訪ねる。」で、銘酒「廣戸川」のふるさとを訪ねる酒蔵の四季第2回米 水 人60Photographs byTadahiko NAGATAText byKanae KOHARI

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