写真・大志摩 徹 文・松尾千鶴子ジャケット下部にはムッシュの愛したモチーフである蜂の刺繍。襟元と裾のクロージャーはベルクロ、袖口はファスナーとドットボタン。スタンドカラーのコットンポプリンのシャツドレスは比翼仕立てで、その左右に2本のタックプリーツが施されている。25 ディオールで初めて、女性アーティスティック ディレクターとして就任したマリア・グラツィア・キウリ。「ドレスだけがクチュールではない」という持論を持つ彼女の初コレクションは、スポーツやストリートの要素を取り入れ、ビッグメゾンをリアルなステージへと解き放っている。 コレクションは、フェンシングのユニフォームから想を得たジャケットからスタートし、このバイカージャケットのセットへと続いていく。これら前半はホワイトがメイン、中盤にはメゾンを象徴するブラックのバージャケットも登場し、後半のドレスへとつないでいった。 レザーのバイカージャケットに施されたキルティングは、身頃と袖でパターンを変えて、幾何学的な文様でジャケットの構築的シルエットを強調。合わせたシャツドレスのギャザーのスイートな柔らかさと対照をなす。マスキュリンとフェミニン、ハードとソフトを織り交ぜたスタイルは気高くも軽快。ステレオタイプに縛られることなく、自由な視点で俯瞰した新生ディオールは、女性に心強いシグナルを送っている。デジタル版シグネチャーは下記よりご覧ください。Photograph by Toru OshimaText by Chizuko Matsuohttp://www.diners.co.jp/ja/sig/m1704/レザーバイカージャケット410,000円、シャツドレス170,000円(共に税抜)お問い合わせクリスチャン ディオール(ディオール)フリーダイヤル0120-02-1947現代的気高さを纏ったバイカージャケットWhat’s new ? FashionDIOR
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