ヴァ・ボットフェルトさんは、世界各国で講演やコンサルティングを行う有名ドッグトレーナー。犬に関する著作も多く、著書『フォロー・ミー』は3か国語に翻訳された北欧の大ベストセラー。各動物団体の招待で過去12年に3度ほど、来日もしている。 「スウェーデンは比較的、犬とのつき合い方、一緒にいる犬が、どう快適に過ごせるかという知識を持っている人が多いですね」とエヴァさん。ビギナーにはこんな忠告をしてくれた。まず、命令をしないこと。習性を観察して何かよいことをしたら褒めてあげる。よいアイコンタクトも重要なポイント。近くにいるときは優しく、遠くにいるときに叱る。ルールを決めてあげていくことがワンちゃんに安心感を与える一番上手な関係づくりだという。 彼女の紹介で、ストックホルムにワンちゃんを日中預かる動物高校のデイケアセンターを訪ねた。預けられるワンちゃんたちには実践に参加してもらうことになる。条件として、他の犬と共存できること。一日のスケジュールに、預けられた犬と生徒たちのプログラムもあるため、たとえば風邪をひいたら欠席の連絡の必要もある。オーナーも自分の家族であるワンちゃんが生徒たちの役に立ち、どんなことを教育プログラムで体験しているか知ることができるため好意的だ。 動物高校『ジュルジムナジート』は音楽やバレエ学校のように、動物について専門に学べる私立高校だ。初めは可愛い服を着てくる高校生も、実践で犬に触れると服は泥だらけになるため、スポーティな服装に生徒たちが変わっていくと先生の一人は笑いながら語る。動物の命を救うスキルを学ぶため、卒業後は獣医になるために進学する子もいれば、ドッグトレーナーや動物関係の仕事に就く子もいる。将来、動物とは無関係の仕事に就いたとしても、知識があるので一生、動物のよき理解者でいられるという利点もある。 スウェーデンでも動物はファミリーの一員。彼らが幸せならば、苦労も惜しまない愛情たっぷりの光景を至る所で発見することができた。右:養護施設用の犬のトレーニング風景。左:スウェーデン屈指のドッグトレーナー、エヴァさんと彼女のワンちゃんたち。右:自分のポジションではおとなしく。中:ドッグケアではさまざまな種を預かり、多様性を学ぶ。左:屋外でのトレーニングも欠かさない。右:実践の授業。ドッグ・マッサージでらくちん。左:授業中、携帯電話は禁止。犬の目をしっかり見て、信頼関係を築く。ジュルジムナジート47Djurgymnasiet StockholmTrekantsvägen 7B, 117 43 Stockholm, SwedenTel:+46 8 744 62 50 http://djurgymnasiet.comEva Bodfäldt & Djurgymnasietエカリスマ・トレーナーが語るドッグケア
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