SIGNATURE2017年07月号
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Super Premum部門」と合わ品総数は1730、世界最多であると同時に、市販酒のみを対象とした、世界一美味しい日本酒を決めるコンペティションが「SAKECOMPETTON」だ。 今年で6回目を迎えた国際的にも注目されるコンペに、今年は「ラベルデザイン部門」と「発泡清酒部門」が新設され、「吟醸部門」「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「せて、7つのジャンルで審査が行われた。予審会の場である都立産業貿易センター台東館では、錚々たる日本酒の目利きたちが、テーブル狭しと並べられた千数百本を超える出品酒を前に、静かなブラインドテイスティングを繰り返していた。 とりわけ特異な空気に包まれていたのが、「合瓶で小売価格が1万円以上、一升瓶で1万5000円以上の清酒が対象で、日本酒のプレミアム化を目指し、高価格帯での技術や味を競うもの。酒質だけでなく、ラベル、ボトル、化粧箱などパッケージも審査の対象になる。審査するのは日本酒に精通した外国人10名(うち女性が2名)。Super Premum部門」。四蔵人、日本酒バーディレクター、ディストリビューターなど、それぞれ立場は異なれど〝SAKE〞を世界に発信する人間のプライドがみなぎった真剣な表情が印象に残った。 その一人で、決審会の審査員も務めるジョン・ゴントナーさんに話を伺った。〝サケ・サムライ〞の異名を持ち、著作も多い日本酒評論家だ。 「審査に出された62本は全部美味しいけれど、価格に納得できる出来映えにあるものだけを選びました。日本酒を渋いものと捉えてはいけない。もっと目立つ酒造りをしないと、飲み手にお金を出してもらえません」 世界唎酒師コンクールで3位に輝いたこともあるブーラフ・ドミトリーさんはさらに辛口だ。 「世界に出るからといって、客に媚びるのではなくて日本酒らしい個性の主張も必要だと思う。日本酒は今までブランディングをおろそかにしてきたので、そこに力を注ぐべき。特にラベルや箱は言葉以前の問題ですから、1万円以上という価格に見合うものを追求しないと」 そんな状況を反映してか、コンペティションの実行委員である中田英i IIi出(はせがわ酒店代表取締役社長)(宝剣酒造五代目杜氏)(唎酒師)(日本酒評論家)近年のキーワードは〝甘さ〞と〝ガス感〞。それを堂々と語れることは、明らかな進歩です――長谷川浩一全体的に酒の甘みがキレイになってきている。選ぶ基準は、それが意識して造られた味かどうかパッケージも含めブランディングが必要――土井鉄也目指すものが同じものになりがちだけれど、――ブーラフ・ドミトリー飲んでもらう機会をつくるにはアピールも必要。ただ価格に見合うクオリティかどうかが問題――ジョン・ゴントナー日本の食文化を応援します。73

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