SIGNATURE2017年07月号
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 魅力的な企画で毎年、イタリア料理ファンはもちろん、多くのグルメファンの舌を楽しませてくれる「ダイナースクラブイタリアンレストランウィーク」。5周年の節目にあたる今年のテーマは、昨年に続いて「イタリアの祝祭料理」。その中でも人生の大切なイベントである結婚式、洗礼式などで配られる砂糖菓子「コンフェッティ(confettにフォーカスした。 コンフェッティはアーモンド(ピスタチオ、ヘーゼルナッツの場合もある)を砂糖でコーティングした菓子で、幸運を呼び、縁起がよいとされている。その起源は遠くローマ時代に遡り(当時は砂糖ではなく蜂蜜が使われていた)、イタリアの祝祭の場を彩ってきた。 お祝いの場で招待客に配られるコンフェッティの色と数にはルールがある。結婚式は純粋さを象徴する白、出産やi)」洗礼は水色かピンク、婚約は緑、卒業は赤、銀婚式は銀、金婚式は金といった具合だ。数はイタリアで運がいいとされる奇数で、結婚式では5つであることが多い。これは5が健康、繁栄、幸せ、豊穣、長寿を象徴するからである。 鮮やかな彩りのコンフェッティは、つねにイタリアの祝祭の場を飾ってきた。カーニバルでバルコニーからコンフェッティをばらまく習慣があったことから、英語でコンフェッティがパレードなどで用いられる紙吹雪を意味するようになったが、紙吹雪の華やかなイメージもこの砂糖菓子にぴったりだ。 祝祭は豪華である必要も、贅沢をする必要もない。美味しい料理とワイン、気の合う仲間が集まればそこがそのまま祝祭の場だ。日常を離れて大いに楽しみ、心と体をリフレッシュしようという気持ちが何より重要だ。素材のよさをストレートに生かし、堅苦しいマナーにとらわれず気軽に楽しむことができるイタリア料理は、まさに理想の祝祭料理だろう。 今回は「紙吹雪」や「砂糖菓子」をイメージした料理が用意されるとのことで、祝祭気分が盛り上がることは確実である。優れたシェフたちが工夫を凝らして生み出す一皿一皿は、美しいコンフェッティのように喜びの時間を彩ってくれることだろう。ラ・ファリーナ(AQI認定店)中央区日本橋 シェフ:三條成実お祝いの一皿ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク 2017 ~おいしい、おとくな2週間~78野菜は高知、熊本や鎌倉などの契約農家から直送され、添え物でなくコースの中で主役として登場。素材のよさを引き出すことを心がけている三條シェフは、店名の由来である“粉”にもこだわり、パスタは自家製とイタリアからの乾麺を使い分ける。祝祭料理には、アルデンテなスパゲッティーニをガーリックオイルでからめ、色鮮やかな野菜たちと共に。サルデーニャ島産の最高級ボッタルガをたっぷりと、料理の上だけでなく皿の周りにもちりばめて、華やかさを追求している。2017年は、「ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク」5周年の節目の年。イタリア料理に情熱を注ぐシェフたちが、「お祝い」をキーワードにしたお料理で迎えます。暑い夏こそ元気にヘルシーに。美食を楽しむ祭典がいよいよ始まります。文・宮嶋 勲(ワインジャーナリスト)2017.7.15~30サルデーニャ島産ボッタルガをからめたスパゲッティーニ新鮮な野菜との相性を、季節感あふれるひと皿にDINERS CLUB ITALIAN RESTAURANT WEEK 2017お祝いにはイタリアンに行こう!「コンフェッティ」で祝うイタリア料理の祭典、5周年記念

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