イ 鼈甲細工作家「鼈甲は黄金。限られた貴重な資源だからこそ、巧妙に扱わなければなりません」クリスティアン・ 「は甲父物をも足加鼈工り甲なす眼いる鏡とのの感が作仕じり、事手ウででミししガたたメ。が私の、甲は仕羅そ入かれれらだた鼈け甲で鼈ボネヴ・サンローラン、ジャッキー・ケネディ、ジャック・シラクなど、ボネ氏の鼈甲眼鏡の愛用者は枚挙にいとまがない。一流を知る各界の大物から選ばれる理由は、そのデザイン性ももちろんだが、やはりかけ心地の良さだろう。熱を加えると柔軟性が出るという特質を利用し、鼈甲を火にかけ、鼻の高さや耳の形にフィットするようにカーブを微妙に調整。1ミリどころか、0・1ミリの妥協も許さないという。ボネ氏が手掛けた作品を試したら、もう別の眼鏡はかけられなくなるとの呼び声も高い。を採取する技術を習得しました。鼈甲職人の中でも、甲羅の扱いに長けた人は珍しいです」 鼈甲は甲羅を重ね合わせて厚みを出すが、自在に甲羅を操ることによって、好みの色合いや模様の鼈甲を作り出すことが可能になる。 ただし、鼈甲のもととなる甲羅を持つウミガメは全種が絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約によって、国際間のトレードが禁止されて久しい。そのため、鼈甲職人は決定的な原材料不足に悩まされることになった。 「今日、私が鼈甲細工職人として存在しているのは、フランソワ・ミッテランのおかげです。彼の権限によって、規制前に輸入してあった甲羅のストックの使用許可が下りたのです。もちろん彼も私の鼈甲眼鏡の愛用者でした」LunetierChristian Bonnet39琥珀色の光沢を放つ鼈甲の眼鏡は、柄が映えるように配慮され、素材のロスがないようにデザインされている。黒色と比較すると、オレンジや琥珀色の鼈甲は希少価値が高く、さらに斑が入っていない透明感のある部分はより貴重とされる。軽量でアレルギーフリーなのも鼈甲の魅力だ。右写真内の一番左の鼈甲のサングラスは、オードリー・ヘップバーンが愛用したモデル。顧客リストには大統領、女優、作家など、そうそうたる名前が並ぶ。ウミガメの甲羅から鼈甲を採取する技術を有する数少ない職人。2000年に人間国宝に選ばれる。祖父の代から続いている眼鏡職人としても名高く、パリと地方に構える2軒の工房で、3人の息子たちとともに活躍。
元のページ ../index.html#33