ワインの物語を聴く宴 マルジョン氏の仕事は、世界中のアラン・デュカスエンタープライズ各店のワインリストを作り、仕入れを交渉し、自らのエスプリを理解できるシェフソムリエを選ぶこと。チーム作りや料理&ワインのマリアージュは、各店のシェフソムリエが担う。普段は客席に立たないマルジョン氏だが、時折のイベントで、自らマリアージュを考えサービスに立つ、稀少な機会がある。9月に『ビストロブノワ』、で開催されるディナーは、マルジョン氏の真髄を堪能できる貴重な機会のひとつだ。マルジョン氏が2つのワインディナーに選んだのは、ボルドーはサンテミリオンの銘酒、シャトー・パヴィと、シャンパーニュの名門、ランソン。 「パヴィは、私にとってサンテミリオン最高のテロワール。木々に囲まれた丘のみごとなエコシステムが、芳醇な味を生みます。洗練された高級ガストロノミーにふさわしい銘酒。伊勢海老にミソとスパイスで香りをつけたソースなどにも合います。ランソンは、1760年創業の歴史とノウハウを持つ名門。マロラティック発酵をしない古いヴィンテージ独特の素晴らしい熟成感は格別。ジビエにもみごとに共鳴します」 どちらのワインも蔵出しで、メゾンで丹精込めて熟成させた最高の状態のものが、イベント3週間前に東京に直送され、状態を落ち着かせてから提供される。パヴィは、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに上りつめた記念イヤー2012年をはじめとする3つのヴィンテージが中50『プラザ・アテネ』のカーヴにて。ギリシャで造る自身のワインを、ソムリエナイフ同様、自身でデザインしたワイングラスに注ぐ、マルジョン氏。 『アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ』のワインリスト。優れた土壌と、1997年よりオーナーとなったジェラール・ペレス氏の革新的なワインメイキングにより、2012年以降サンテミリオンの最上級に輝く銘酒中の銘酒。12月に『ベージュアラン・デュカス東京』Château Pavie
元のページ ../index.html#42