SIGNATURE2017年10月号
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ぜんさつはっとう坐禅と精進料理で、心と体を整えるひと時 京都・嵐山にある天龍寺は世界遺産の禅刹。後醍醐天皇の菩提を弔うために足利尊氏を開基、夢窓疎石を開山として1339年(暦応2年)に創建された。以来、ここには700年の長きにわたって禅の精神と文化が息づいている。 13世紀に中国から伝わった禅は、さまざまな芸術の中にその教えを表現してきた。天龍寺の最大の見所、曹源池庭園もその一つ。天龍寺宗務総長・田原義宣さんが解説する。 「嵐山、亀山を借景にしたこの庭は、夢窓疎石が後世に教えを伝えるため作庭したものです。中央にある龍門の滝は、鯉が滝を登って龍になるという中国の故事になぞらえたものです。龍は仏を表します。悟りを開くには滝を登る鯉のように全力を出し切って修行しなさい、と言っているのです」 龍は法堂の天井にも描かれている。42世界遺産坐禅体験は、かつて修行僧が実際に坐禅をしていた禅堂で行う。坐禅会は多くの寺で開催されているが、禅堂に座れる機会は貴重。Photographs byToshihiko TAKENAKAText byMikako SAWADA写真提供・天龍寺ダイナースクラブ会員限定イベント3写真・竹中稔彦 文・沢田眉香子足利尊氏を開基とし、夢窓疎石を開山として開かれた天龍寺。紅葉が美しくなってくる秋、ダイナースクラブ会員だけの早朝特別参拝が開催される。茶の湯や水墨画、庭など、日本文化を育んだ禅の心に触れて、いつもと違う秋のひと時を。臨済宗天龍寺派大本山天龍寺 朝の特別参拝

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