しげつ直径9メートルの円相の中で躍動する八方睨みの龍は、加山又造画伯による水墨画の傑作。水墨画もまた、禅が日本にもたらした芸術である。 禅寺の食事として知られる精進料理にも、その根底に禅の思想がある。 「精進料理の『精進』という言葉は、一つの目標に向かって努力するという意味です。菜食をするだけで、努力する心がなくては精進ではないわけです。和食の献立に和え物がありますね。歯ごたえがない豆腐をコンニャクが食感で補い、椎茸が旨みを補うというふうに、食材の持ち味を生かし切り、『和』えることで、お互い助け合っている。こうした考えも含めて精進料理は成り立っているのです。それを洗練させたのが茶の湯の懐石です」 「茶禅一味」と言われるほど、禅と茶の湯には深い関係がある。「集団生活を送りながら修行する禅寺では、和合を最も尊びます。だから、皆で分かち合う一杯の茶が大切なのです」。茶を通じた禅堂での心の交流。それが後に、「茶の湯」として大成されたのである。 知れば知るほど、観光で訪れるだけでなく時間をかけてじっくり味わいたくなる、禅とその文化。そんな知的好奇心に応えるのが、この特別参拝である。一般参拝より早い時間に、参加者だけで庭、伽藍、雲龍図と多くの見どころをゆったり参拝。さらに、混雑する11月には通常行っていない法話と通常は非公開の禅堂での坐禅も特別に体験できる。呼吸を整え背筋を伸ばし、朝の清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで無心になる坐禅のひと時。その後は庭園内にある『篩月』で精進料理の朝食を。朱椀に一品ずつ盛り付けられた料理は美しく、滋味は五臓六腑に染み渡る。禅を体感して澄み切った心と体に、嵐山の紅葉の絶景が、ひときわ深く心に刻まれる。京都での、忘れられない一日の始まりになるだろう。あダイナースクラブ会員限定イベント❸天龍寺 朝の特別参拝日時:2017年11月19日(日)7:15~9:45予定(現地集合・現地解散)募集人数:60名様(先着順)参加費:お一人様17,800円 またはダイナースクラブ リワードポイント35,600ポイント 会場:大本山 天龍寺 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68スケジュール(予定):7:00 受付開始7:15~7:40 天龍寺の時間外特別参拝(法堂、方丈、庭園)7:40~8:15 天龍寺宗務総長・田原義宣師による法話(通常非公開の友雲庵にて)8:15~9:00 坐禅体験(通常非公開の禅堂にて)9:00~9:45 天龍寺内の精進料理『篩月』*にて精進料理の朝食(特別参拝、坐禅体験、朝食、消費税込み)*「ミシュランガイド京都・大阪2017」ビブグルマンに認定※お申し込みの際は、41ページに記載の「注意事項」および「リワードポイントでの参加について」を必ずご確認・ご了承ください。法話をいただく田原義宣天龍寺宗務総長。おおらかなお話しぶりに、坐禅を前にした緊張もほどける心地がする。43お申し込み・お問い合わせは、イベントデスクまで 0120-508-800(月~金 10:00~18:00/土・日・祝日休)「ミシュランガイド京都・大阪2017」 ビブグルマンに認定された『篩月』での朝食。(写真は献立の一例。季節の食材にて提供します)
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