SIGNATURE2017年10月号
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日伊の巨匠、奇跡の対談おいしく食べることを考える山本首藤 「延岡には何もないがね」。これが延岡の風山本首藤山本首藤山本首藤山本首藤山本ぜんりょうまる1時間30分! えーって思った(笑)。土。しかし、高速道路ができて、県外からも多くの人たちが来るようになり、地域を開いておもてなしをしていこうという機運が高まりました。その切り札が、食だと山本さんにアドバイスいただいたのです。チャンという小さな街が世界的な美食都市に……という話から、昨年、市長と現地視察に行った結果、ここをお手本にしようと。その滞在中にマッシモ氏に構想をメールしたら、2日後には参加快諾の返事がきた。シモ・ボットゥーラ氏の対談は、世界中の人たちがびっくりするような顔合わせ。山本さんでなければ実現できませんでした。延岡の人たちにも大きな刺激になりますね。いないだけ。戦前から、延岡にはわさび田があったそうですね。質の高い食材を使って、本わさびを生かしている店があった。新鮮な魚や鮨には本わさびが欠かせません。すべての食材を一層おいしく引き立てます。職人の対決の中で本わさびが使えたらいいと思い 最初に延岡を訪れたのは10年前。宮崎から スペインのバスク地方にあるサン・セバス イベントのメインとなる小野二郎氏とマッ 延岡は、料理人の層が厚い。光が当たって 今回のイベントでは、他の地域から来る鮨ます。山本さんから、わさびは醤油に溶かさずに食べたほうがおいしい、と教えてもらい、今ではそれを伝えるのが私の使命ですが、延岡市民全員が実行すればスペシャルになります。 当たり前の食べ方を問い直すということです。現在は高級な食材、有名なもの、点数の高いレストランで食べることが美食と思われていますが、そうではなく、おいしく食べることを考える。これは食べ方の文化を見直すイベントでもあります。 延岡市内にある『きたうら善漁。』は、まさしく料理の食べ方を見直すことができるお店ですね。 あんなにシンプルに料理を仕上げる人は東京にも関西にも、ちょっといない。食材の命を慈しんでいるのがひしひしと伝わってきます。味のわかるダイナースクラブ会員の方が感想を述べられると、料理人の吉田氏もさらにパワーアップすると思いますよ。 延岡は物理的には遠いのですが、地元の食の豊かさを磨きあげ、おもてなししようと官民一体となって頑張っています。皆様にお越しいただいて、その食の豊かさを味わってもらえたらうれしいです。 何だか興味が湧いてきたな〜と思ったら、足踏みせず、この機会にぜひ、足を運んでほしいですね。65日本の食文化を応援します。かつて延岡で本わさびが栽培されていたことを受け、その復活プロジェクト「本わさび革命」も始動したばかり。延岡を代表する料理店『きたうら善漁。』では、特別会食会が開催されるというから楽しみにしたい。オステリア・フランチェスカーナ オーナーシェフすきやばし次郎 店主マッシモ氏は来日するたびに『すきやばし次郎』を訪れるほど、二郎さんのファンだとか。「冬にいらした時は、タコを2回もお代わりされて。マッシモ氏の先祖は日本人じゃないか? と、いつも話しているほど、彼は日本の食に造詣が深いのです」。そんな仲良しの二人。「人前で話すのは、恐らくこれが最後でしょう」と二郎氏。今回は「伝統と進化」について話す予定。どんな対談になるのか期待したい。小野二郎マッシモ・ボットゥーラ「2016年世界ベスト50レストラン」の第1位を獲得したマッシモ氏。今回のイベントでは二郎氏との対談もさることながら、マッシモ氏自慢のパルミジャーノスープを再現する予定だ。「2015年ミラノ万博開催中、万博で使用された使い残しの食材を利用して、失業者や子供たちにふるまったパルミジャーノスープです」とマッシモ氏。パルミジャーノチーズの皮から出汁をとったスープが今から楽しみだ。

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