SIGNATURE2017年12月号
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ジンツァイ 街場の料理に対して、高級ホテルではどんな晋菜(山西料理)が味わえるのだろう。『太原ケンピンスキーホテル』の中国料理店『龍苑(ロンユェン)』を訪れてみた。 同店では中国各地の料理をそろえるが、晋菜に限っては山西省出身の料理人が調理を担当する。まずは真っ先に名が挙がった名菜が「過油肉(グゥォヨウロウ)」(写真中)。「過油」とは油通しの意味で、下味をつけた薄切りの豚肉を油にくぐらせてから、野菜と炒めた山西式の酢豚をいう。彩りのいい赤玉ねぎとニンニクの芽を使ったのは同店らしく、油通しをしてもさっぱりといただけるのは黒酢の効果だろう。聞けば黒酢は「美和居」を使用。高価なものだが「高級ホテルですから当然です」と料理長の陳吉満さんは胸を張る。  また、鮮肉月餅(写真上)は肉入り月餅で、ザーサイ入りほか5種類の餡をそろえている。ホテルの「K」のイニシャル入りで、中秋節のときには贈答用にも人気があるそうだ。 レストランは一部回廊の席を除き、すべて個室(全15室)。二人きりでも、ゆったりとした空間で食事が楽しめる。41太原ケンピンスキーホテル 龍苑中国山西省太原市長風街115-1号TEL +86-351-866-0000www.kempinski.com/taiyuanラグジュアリーホテルのモダン晋菜

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