l I-VAL “Krug 「クリュッグとは、複数の楽器が奏でる究極のシャンパーニュです」 6代目当主のオリヴィエ・クリュッグのその挨拶で、音楽とシャンパーニュを巡る一夜が始まった。は、クリュッグと音楽をテーマに官能と芸術の本質を探るという知的な試みだった。クリュッグはこの数年、音楽をテーマにした様々な取り組みを行っているが、そのひとつが「ミュージック・ペアリング」である。冒頭のオリヴィエの言葉にあったように、音楽をペアリングさせることで、典雅なるイメージを共鳴させようというものだ。 たとえば、この日供されたクリュッググランド・キュヴェは、1843年創業のクリュッグにとって162番目になるとオリヴィエはいう。「ワインのテイスティングノートは約4000件に及び、その中から実に142種類をブレンドしました」。その複雑で典雅なクリュッグの酒精を言葉に引き移すのは、容易なことではない。様々な音楽と同調させることでその魅力の本質に目覚めようというのが、今回の趣旨なのであった。 第一会場となったのは、東京・東品川の『スタインウェイ&サンズ東京』のショールームであった。偶然にもスタインウェイの創業も「KRUGugged”」と題されたそのイベントFESTUnp料理はクリュッグ・アンバサダーでもある山田チカラが担当。上:「手長海老と椎茸のコンフィのソテー」、下:テーマのきのこ狩りをイメージしたアミューズ、右:「マッシュルームバーガー」。このほか料理はデザートまですべてきのこ尽くし。右:乾杯の挨拶をするクリュッグ6代目当主のオリヴィエ・クリュッグ。日本通でも知られるオリヴィエが、音楽とクリュッグをマリアージュさせるという新たな試みを展開している。中:この日、3種類のクリュッグが提供された。左:スタインウェイのピアノを演奏した金子三勇士(右)と新居由佳梨(左)。52KRUG with Mushroom音楽と料理とクリュッグによる、知的で官能的なマリアージュ。私たちを新たな目覚めに導く。
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