SIGNATURE 2018 1&2月号
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GourmetCEDRIC CASANOVAPhotograph by Toru OSHIMAText by Masahiko SHINAGAWA 2016年9月、東京・表参道にオープンしたシチリア食材専門店『セドリック・カサノヴァ』。単一農家×単一品種のエクストラヴァージンオイルをはじめ、ドライトマト、ケイパーなど多彩な食材がそろう。写真の品は鮪の〝ブレサオーラ〞。本来、ブレサオーラとはイタリア語で「牛肉の生ハム」を指す。シチリア海峡から水揚げされた鮪の背肉を塩漬けにして、低温で乾燥させ、じっくりと熟成させたこの一品は、製法や見た目が牛肉のそれに似ているところからの命名で、正確には「ブレサオーラ・ディ・トンノ(伊語で鮪)」と呼ばれる。 経営者のセドリック・カサノヴァ氏は、シチリア島内の信頼の置ける農家や漁を手がける人からしか素材を入手しない。鮪のブレサオーラも、シチリア島西部の港町・トラパニの特定の漁師さんの手になるもの。熟成したチーズを想わせる濃厚な旨みは、ワインはもとより、すっきりとした飲み口の日本酒とも絶妙の相性を見せる。できるだけ薄くスライスして食するのがポイント。鮪は、刺身でも美味だが、ブレサオーラもまた、新たな食の領域を広げてくれる。シチリア島から届いた鮪の〝ブレサオーラ〞まぐろWhat’s new ? 写真・大志摩 徹 文・品川雅彦お問い合わせセドリック・カサノヴァ電話03-6721-0434オーナー(共同経営者)のセドリック・カサノヴァ氏は、元・シルクドソレイユの綱渡り芸人という経歴。パリ10区には、シチリア産オリーブオイル専門店『ラ・テット・ダン・レゾリーヴ』(仏語で「頭はすっかりオリーブ漬け」)を構える。ブレサオーラ 100g 2,916円、ギフトボックス108円(共に税込)*同店ECサイトからも取り寄せ可。26
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