SIGNATURE 2018 1&2月号
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ピーテル・ブリューゲル1世1568年頃 油彩・板 114×164cmウィーン美術史美術館蔵© Wien, Kunsthistorisches Museum / アフロ《農民の踊り》野外博物館のパン工房で焼かれるスペルトブロート(現在の小麦の原種にあたる古代穀物スペルト麦のパン)。下左:「ブリューゲルハウス」と名づけられた、移築された農家。時代は下るが、たしかに《農民の踊り》に描かれた中世の家とよく似ている。右:フランダース地方の民族衣装を着た女性。Lenniksebaan 1479,1602 Vlezenbeek, BelgiumTel:+32(0)2 569 03 90http://www.lindemans.beLindemansリンデマンス醸造所Bokrijklaan 1, 3600 Genk, BelgiumTel:+32(0)11 265 300開園時間:10:00~18:00(4月~10月中旬)月曜休http://www.bokrijk.beボクレイク野外博物館ランビックビールランビックとは、ブリュッセルの南西、パヨッテンラント地域で醸造される特殊なスタイルのビール。この地域の谷に自生する野生酵母とバクテリアによる自然発酵が、通常のビールに用いられる培養酵母では分解できない炭水化物までを分解するため、糖分はほとんど失われ、野生酵母由来の乳酸の酸味となめし革のようなフェノール臭をもたらす。起源は古く16世紀。通常は3年、最低でも1~2年の熟成。コクのある日本のビールの味に慣れた舌には、香りや苦みのない、ドライで酸っぱいだけの液体だが、地元の人にとっては、熟成の若いランビックと2~3年熟成の古酒を混ぜ瓶詰めした「Gueze(グーズ)」こそが故郷の味なのだそうだ。黒砂糖や糖蜜で加糖した「Faro(ファロ)」や、ランビックにクリーク(サクランボの一種)、ラズベリーやカシスなど果実を加えた多様なフレーバーがある。ブリュッセルの東に位置するヘンクの近郊、約95ヘクタールの広大な敷地に広がる、100年以上前のベルギー・フランダース地方の農村の暮らしや文化が体験できる野外テーマパーク。戦後失われつつあった田園地帯の古い農家や民家を移築し、1958年にオープン。17~18世紀の建物が主だが、古いものでは11~12世紀の教会や、ブリューゲルが描いた中世を彷彿させる農家の間取りなどが見られる。園内は馬車で観光ができ、パン焼きや陶芸なども体験できる。アニメ『フランダースの犬』のモデルとされる民家は、アニメ・ファンの“聖地”となっているそうだ。(アクセス:ブリュッセル中央駅からボクレイク駅まで直通電車で約1時間半。ボクレイク駅から徒歩約15分)ボクレイク野外博物館ブリューゲルへの招待状Column2ブリューゲルへの招待状Column1Openluchtmuseum van Bokrijk35

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