SIGNATURE 2018 1&2月号
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ピーテル1世が結婚式を挙げ、埋葬されたノートルダム・ド・ラ・シャペル聖堂のほど近く、オート通り132番地にあるピーテル1世が住んだとされる家。現在は改装中のため非公開だが、2019年に《ブリューゲルハウス》としてオープン予定。農民たちの祝宴の場面は、17世紀初頭のフランドル絵画においてもっとも人気のあった画題。ピーテル1世の息子たちも、この場面を繰り返し描いている。とくにピーテル2世は、20年以上にわたってこの主題に取り組んだ。表紙の同名の別作品とは、人物描写が微妙に異なる。風景画や寓意画、宗教画など多くの主題を手がけたヤン1世は、とりわけ花の静物画を得意とし「花のブリューゲル」とも称される。本作はヤン1世と、その工房で徒弟として修業していたヤン2世が共同で制作したもの。ブリューゲル一族の「摸倣」がよくわかる貴重な作例である。Hoogstraat 132,1000 Brussels, BelgiumBruegelhuisブリューゲルハウス美術評論家・ブリューゲル展共同監修者Sergio Gaddiセルジオ・ガッディ会期・会場:2018年1月23日(火)~4月1日(日) 東京都美術館http://www.ntv.co.jp/brueghel/Brueghel:150 Years of an Artistic Dynastyブリューゲル展画家一族 150年の系譜Bruegel &Brussels *以降、豊田市美術館(4月24日~7月16日)、札幌芸術の森美術館(7月28日~9月24日)、その後、広島、福島に巡回予定展覧会情報Exhibition Informationブリューゲル一族の油彩、素描、版画を中心に、同時代の作家の作品およそ100点を世界のプライベート・コレクションから厳選。パリでは20万人を動員するなど好評を博した国際巡回展の待望の日本展 !ピーテル・ブリューゲル2世1610年頃 油彩、板 74.2×94cmPrivate Collection《野外での婚礼の踊り》ピーテル・ブリューゲル1 世(下絵) ピーテル・ファン・デル・ヘイデン(彫版)1558年 エッチング、エングレーヴィング、インク 22.5×29.4cm Private Collection《最後の審判》 ヤン・ブリューゲル1世ヤン・ブリューゲル2世1615~1620年頃 油彩、板 40×29.2cm Private Collection《机上の花瓶に入った チューリップと薔薇》41
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