SIGNATURE 2018 3月号
57/84

「木と紙の文化」として世界文化遺産に登録されている醍醐寺――。開創以来千百余年の間、祈りの対象として守り継がれてきた約15万点に及ぶ文化財の中には、長い年月の経過の中で傷み、修復が必要とされるものも多い。ダイナースクラブの支援で始められた修復プロジェクトで今回対象となったのは、昨年の不動明王像に続き、木造五大明王像のうちの一体である大威徳明王像。毎年2月23日に行われる醍醐寺最大の年中行事「五大力尊仁王会」では、美しく甦った、水牛に乗った六面六臂六足の勇姿が見られるはずだ。未来へと 醍醐寺/ダイナースクラブ文化財修復プロジェクトリポート写真・永田忠彦 文・藤田麻希だいいとくみょうおうぞうにんのうえげきだんだいんわんせんひせんほう《木造五大明王像のうち大威徳明王像》63Photographs by Tadahiko NAGATA Text by Maki FUJITA江戸時代初期 明暦元年(1655年)1躯 像高51.2㎝寄木造、玉眼、彩色六面六臂六足という異形の大威徳明王六面六臂六足という異形の大威徳明王像。第1手は、胸の前で互いの中指を立て像。第1手は、胸の前で互いの中指を立てた壇陀印を結んでいる。第2手は宝剣と宝た壇陀印を結んでいる。第2手は宝剣と宝戟、第3手は法輪と宝棒を持つ。腕釧(手戟、第3手は法輪と宝棒を持つ。腕釧(手首の飾り具)と臂釧(上腕の飾り具)はク首の飾り具)と臂釧(上腕の飾り具)はクリーニングされ、往時の輝きを取り戻した。リーニングされ、往時の輝きを取り戻した。

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る