SIGNATURE 2018 4月号
19/82

「色から始まりました」と、ボッテガヴェネタは2018年春夏コレクションを語っている。その色は18世紀の英国建築家ロバート・アダムが設計した、壮麗なパラディアン様式のカントリーハウス、ケドルストンホールからインスピレーションを得たという。スーツなどのドレッシーなスタイルは登場させず、スポーティでカジュアルなアイテムに終始した今シーズン。新古典主義建築の壁やフレスコ画、大理石柱から取り入れた色彩が、それぞれのアイテムに趣あるニュアンスをもたらしている。 アンティークサテンのブルゾンとシャツのベースカラーは、ダスティなダリア色。ブルゾンはリバーシブルで、襟に見える裏面のストライプと、シャツに少し加えたブラックできりっと引き締め、ヴィンテージなデザインに品を与えた。50年代を思わせるアイテムが18世紀の色を得て、斬新なイメージへと昇華したのだ。ショーのボトムはすべてテーパードパンツで、ときにポインテッドシューズも。クラシックな雰囲気に先鋭さが垣間見え、クリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤーのセンスの凄みが鮮明となっていた。写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子建築の色から発想した最適カジュアル23ブルゾン356,400円、シャツ97,200円(共に税込)お問い合わせボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)フリーダイヤル0120-601-966ドイツ生まれで建築家一家に育ったトーマス・マイヤーは、建築に造詣が深く、『ホテルオークラ』など、日本のモダニズム建築への関心も高い。今回は、建築の色に注目したところが画期的。シャツのヨークは太・細組み合わせた黒のストライプ、襟先にはウェスタン調メタルの装飾を添えている。Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUOWhat’s new ? FashionBOTTEGA VENETA

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る