SIGNATURE 2018年 6月号
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この船のダイニングは本気である。旨さは当然のことながら、料理の量に重たさに、加減までが味のうちなのだ港だにっ停た泊。し全て長い2た「4飛1鳥メⅡー」トはル、壮。乗麗客定員数872名。年々、巨大化の傾向にある豪華客船の中で、それは今や中型の部類に入るのだが、これから身を任せようという〝船出〞には、充分すぎるほどの頼もしさを湛えていた。 前身である「飛鳥」が初就航を迎えたのは1991年。日本船籍最大の新造船は、日本におけるクルーズ時代の幕開けを華々しく告げるものだった。進化した「飛鳥Ⅱ」がそのDNAを受け継いだのが2006年。初代からはおよそ27年の歳月を積み重ねる。 驚くのは、乗客の半数以上がリピーターで、発売と同時に売り切れになることもあるということ。巨大な豪華客船は毎年のように世界中で新造、その絢爛さや最新のアトラクションが話題を呼んでもいるというのに。ひとたび「飛鳥Ⅱ」で旅をしたら、人はまた、この場所に帰るのだ。 最大の理由は、日本人仕様に造られているから、とはよく言われること。何せ、大海原を眺める大浴場=グランドスパがある。唸るほど美味しい和食が朝に、昼に、つまりは日に何度も食することも可能。客室はすべて海に面し、バスタブと日本が誇るシャワーつきトイレ。当たり前のように準備してあるスリッパや歯ブラシなど、細部に至るまで、確かにこれが実50寿司割烹『海彦』。ここは有料ながら、各寄港地で仕入れた新鮮なネタで、船上とはとうてい思えないほど旨い寿司を食することができる。「飛鳥Ⅱ」仕様になった銘酒・天狗舞と共に。天狗舞は、ギフトショップでお土産用に購入も可能。『海彦』の料理は、ルームサービスしてもらうこともできる。

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