人 で見ると刺激になる。急に上手くなるんです。お金をかけてでも海外からゲストを呼ぶのはお客さまのためであり、ダンサーのためでもあるのです」 バレヱ団のトップとしてこれまで数々の作品を世に送り出し、数多のダンサーを育て上げてきた。日本バレエ界に果たしてきた功績は計り知れないものがある。だが当人は、「これで満足だと思ったことはない」と、あくまでも貪欲だ。 牧が目指す日本バレエ界の未来。その実現にはクリアすべき課題があると語る。 「日本のバレエファンはまだ限られている。いくら公演を打っても、観客が増えなければ発展はないでしょう。もっと多くの方に観てもらうよう努力しなければならない。日本発のバレエとして『飛鳥あまた物語』を復刻したのもそのためです」 この夏『飛鳥ASUKA』は東京で再演を、さらに来年1月にはウラジオストクでの上演が決まっている。60年前に日本で生まれたバレエが今、時を経て世界へ羽ばたこうとしている。 「『白鳥の湖』はロシアで生まれましたが、今では世界中の国で踊られています。同様に、世界中で踊られるようなバレエ作品を日本で作る必要があると思った。かつての飛鳥は世界が注目する国際都市でした。そういう意味では『飛鳥ASUKA』は日本人以外の方にも馴染みやすいのではと……。『飛鳥ASUKA』が日本のバレエ発展の足がかりになることを、そしてバレエが真の芸術として日本に定着することを願うばかりです」no.スヴェトラーナ・ルンキナと菊地研(撮影 : 鹿摩隆司)古来、国際色あふれる豊かな文化が花開いた奈良。いにしえの都で繰り広げられる、竜神に愛された乙女の物語。日本の伝統文化の美とバレエ芸術が融合した心に響く壮大なバレエファンタジー日時:2018年8月25日(土)/26日(日) 会場:新国立劇場オペラパレス(東京・初台)出演:スヴェトラーナ・ルンキナ(カナダ国立バレエ団プリンシパル)ルスラン・スクヴォルツォフ(ボリショイ・バレエ団プリンシパル) 菊地研、牧阿佐美バレヱ団指揮:デヴィッド・ガルフォース演奏:東京フィルハーモニー交響楽団改訂演出・振付:牧阿佐美チケット料金(税込):S席14,000円ダイナースクラブ会員特別優待:S席中央ブロック15列以内お申し込み カンフェティ チケットサービスWEB予約 https://dnticket.jp/フリーダイヤル 0120-243-543 (月~金10:00~18:00 土・日・祝日休)※やむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。※出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。※未就学児童のご入場不可。 ※お手元にダイナースクラブカードをご用意のうえ、お電話ください。※お申し込みに際しては96ページの詳細をご確認ください。いずれも15:00開演(開場は45分前)『飛鳥 ASUKA』 新制作・世界初演、 牧阿佐美バレヱ団創立60周年記念公演新国立劇場オペラパレス まき あさみ|1934年、東京生まれ。 母はバレエダンサーであり『橘バレヱ学校』初代校長の橘秋子。 幼少期より母にバレエを教わる。 54年米国に留学、 アレクサンドラ・ダニロワ、 イゴール・シュヴェッツォフに教えを受ける。 56年、 母と共に『牧阿佐美バレヱ団』を結成。 71年、 母の逝去を機に現役を退き、 橘バレヱ学校校長として後進の育成、 指導にあたる。 99~2010年、 新国立劇場舞踊芸術監督、 2001年から新国立劇場バレエ研修所所長を務め現在に至る。フランス芸術文化勲章シュヴァリエ、文化功労者顕彰をはじめ受賞・受章多数。84Asami MAKI15Theater InformationSignatureInterview牧阿佐美バレヱ団飛鳥 ASUKA2016
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