SIGNATURE 2018 7月号
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iiWne(プロワイン)」に日本から出標は高い。タイミングよく、デュッセルドルフで開催された世界最大級のワイン・アルコール飲料展「Pro展した造り手らも参加し、ゲストは、和やかな雰囲気の中で思い思いに日本酒を愉しんでいた。 「日本酒はアルコール度数が高いので、ドイツでは私も含め、食後に飲むものだと思っている人が多かった。今では、ドイツの白ワイン・リースリングのようなフルーティな香りやしっかりした酸味のものが存在することも知られるようになり、今後、食中酒として味わってもらえるようになるでしょう。ヨーロッパでも十分に通用すると思います」。『オラニア』のシェフ、フィリップ・フォーゲルさんは、ゲストに満足いただけた夜を、そう締めくくった。Japanese Premum Sake Siteあまぶき39マクシミリアン・フリッチュ|唎酒師。『Tokuri Sakehandel』ファウンダー&CEO。ベルリンを拠点に、プレミアムな日本酒、日本産ウィスキーなどを扱うサイト「TOKURI」を2015年から展開している。 薬品関係の仕事で日本に6か月滞在、帰国してからも日本と関わる仕事をしたいと、2015年に日本酒の輸入業を始めた現在31歳のマックスさん。今では「日本産食材サポーター店」認定を保持する実力派だ。現在、長野・新潟・京都・九州など独自のルートで38種類を販売している。 レストラン関係の専門家を対象にした見本市「ワインメッセ・ベルリン」にも出展。食にはワイン! という固定観念を覆す、好奇心旺盛なお客さんが列をなす人気だった。「まずSAKEは米と水を原料とすること、精米歩合、地域の説明、実際に試飲していただいて、それぞれの特徴を伝えるようにしています」 和歌山の「車坂」や長野の「瀧澤」など、各地の銘酒をそろえたこの日の17品種の中で、最も好評だったのが、京都『木下酒造』の「玉川〈山廃〉純米 無ろ過生原酒」。今まで飲んだことのないアルコール度数20度の力強い口当たりは、ワイン慣れした来場者たちの間で驚きの発見だったようだ。Tokuri GmbHトックリ Kantstraße 2, 12169 Berlin, Germanyhttps://tokuri-sake.deウエノ・ミュラー・ヨシコ|日本酒ディストリビューター。 海外での日本酒普及に努める「酒サムライ」の一員。 2005年、 日本酒の輸入および卸販売を中心とした業務を行う会社『UENO GOURMET GmbH』を設立し、 日本文化をヨーロッパに広めている。 著書に『SAKE‐Eli‐xier der japanischen Seele(SAKE 日本のこころが醸す麗薬)』(ドイツ語版)がある。www.japan-gourmet.com右上から反時計回りに:フュージョン料理による5品コース、メインはダックにクスクスと西洋イチジク。/上海在住経験もあるシェフのフィリップ・フォーゲルさんはお料理との相性を確認。/豚バラ肉にキムチとコリアンダーの洗練された一品には、2016年、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)入賞の出羽桜のエスコート。/ワインクーラーで冷やされたこの日の銘柄は「東光」「天吹」「勝山」「出羽桜」。Maximilian Fritzsch, Sake TasterYoshiko UENO MÜLLER, Sake DistributorColumn若手ホープ唎酒師によるプレミアム日本酒サイトマックス・フリッチュ上野・ミュラー・佳子

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