スイス時計産業の中心地であるジュネーブで、最も長い歴史を紡いできた「ヴァシュロン・コンスタンタン」は、優れた時計師であったジャン‐マルク・ヴァシュロンによって、1755年に創業された。科学技術や工芸技法に精通した時計製造のエキスパートである、ジュネーブの時計師〝キャビノティエ〞の伝統と文化を受け継ぐ正統派として尊敬を集めている。 数々の複雑機構を開発した技巧派として知られており、創業260周年にあたる2015年にコレクターのために製作した懐中時計「リファレンス57260」は、なんと57もの複雑機構を搭載する世界で最も複雑な機械式時計だった。もちろんこういった最高峰モデルだけでなく、上品な腕元をつくるドレスウォッチやエレガントなスポーツウォッチなど、幅広いコレクションをそろえているのも強みである。世界を代表する雲上ブランドとして、 時計愛好家の〝憧れ〞になっているヴァシュロン・コンスタンタンだが、今年から始まったコレクション「フィフティーシックス」には、新しいコンセプトを取り入れた。写真・大志摩徹 文・篠田哲生「フィフティーシックス」老舗の新しい顔Photographs by Toru OSHIMAText by Tetsuo SHINODAFiftysix day-dateFiftysix automatic48Vacheron Constantin
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