香港のセントラル。ビジネス街にもかかわらず、公園の緑が目に優しいこの地区は、香港特別行政府によって、2013年に保護地区に指定された。そこにある8つの歴史的建築物の一つが、2017年11月にホテルとして生まれ変わった。運営は「新しいラグジュアリー」をコンセプトに中国本土にホテルを展開する『ニッコロホテルズ』。成都、重慶に続く3軒目となるのが、ここ『ザマレーニッコロホテル香港』だ。ノスタルジックな白亜の壁と美しい曲線を描くアーチ。このホテルを最も強く印象づけるのは、1969年に建てられたというビルの外観だ。なかでも特にユニークなのが、埋め込み式の四角い窓。これは単なるデザインではなく、直射日光から部屋を保護する効果があるのだとか。冷房代が抑えられるため、サスティナビリティの先駆的ビルとして、現在でも高く評価されている。 50年近い歴史が刻まれたそのビルに、いざ入ってみる。するとまず、3階にまで及ぶアーチから光が降り注ぐロビーが『The Murray』で、香港の〝温故知新〞迎えてくれる。そして、モダンアートや生花が配された気持ちのよい空間から続くエレベーターホールへ。ここでは照明はぐっと抑えられ、ホテルの真髄・ゲストルームへと穏やかにゲストを導く。 そして、とうとう〝今宵の我が家〞へ。ゲストルームの75パーセントが50平方メートル以上という香港でもトップクラスの広さ、計算し尽くされた動線と家具の配置、自然素材の生地や石材、皮革など、贅沢なマテリアルが使用されたインテリアが、文字どおり、我が家のような心地よさを生み出す。旅慣れたゲストほど、この快適さに気づくのではないだろうか。また、あの埋め込み式の窓からは、香港湾沿いに立つホテルとはひと味違った眺めが広がる。夜ともなれば、百万ドルの夜景に手が届くかのようだ。 館内には、広東料理『國福樓』やルーフトップバー&レストラン『ポピンジェイ』など、5つのレストランとバーも。常宿をお持ちの方も次回のステイはこのを体験してはいかがだろう。「The Murray Suite」にはキッチンも完備。オレンジのレトロな冷蔵庫がお洒落。22 Cotton Tree Drive Central, Hong Kong, SAR, ChinaTel. +852 3141 8888 themurray@niccolohotels.com日本でのお問い合わせ ワーフホテルズ 電話03-6441-0539上右と左:シグネチャースイートの「The Murray Suite」には、エクササイズバイクも完備。香港の夜景を間近に眺められるソファに座れば、その心地よさに動けなくなるだろう。ザ マレー ニッコロホテル香港The Murray, Hong Kong, A Niccolo Hotel52
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